本連載は、ハワイ教育移住コンサルタントのイゲット千恵子氏の著書、『経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親』(経済界)の中から一部を抜粋し、ハワイと日本の「教育」の違いについて比較・検証します。

世界中の富裕層の「教育移住先」

ミックス文化が成立しているアメリカ唯一の州アメリカ合衆国50番目の州・ハワイは、リゾート地として発展してきた歴史を持ち、世界中から富裕層が集まってきます。

 

息子の同級生にも、中国の大企業の御曹司やタイの王室の子孫といった、そうそうたる家柄の子どもたちが留学していたり、教育移住したりしています。

 

彼らの多くは、小さい頃から家族旅行でたびたびハワイを訪れ、ハワイに慣れ親しんでいるため、留学先に選んでいるのです。またハワイは、アメリカ本土の大学に進学するまでのワンクッションとしての位置付けにもなっているようです。

 

たとえば、中国や日本、東南アジアから来てハワイで高校まで過ごし、高校からアメリカ本土の大学に行くというのが、アジア人の子どもたちがアメリカまで辿り着く教育ルートになっているように感じます。

多様な人種・言語・文化を、世界で最も受け入れる場所

留学や移住となると、「人種による差別はないの?」と気にされる方もいます。

 

確かにほかの州では、たとえばアジア人はアジア人の住むエリア、白人は白人の住むエリアと分かれていて、学校案内には、アジア人率何%、白人率何%などと書かれていたりすることもあります。

 

アメリカは移民の国ですが、実際は「人種のサラダボウル」とも呼ばれ、人種や文化が混じりあうことがほとんどないんですね。

 

昨年の大統領選挙を見ても、「ラストベルト」と呼ばれる中西部の衰退した工業地帯に住む白人と、その他の地域に住むマイノリティとの間に、分断があることは明らかでした。

 

しかし、ハワイは違います。ハワイは、アメリカの中でも唯一、人種や文化が混じりあい、「メルティングポット(人種のるつぼ)」が成立している州です。

 

「みんながオハナ(ファミリー)」というアロハ・スピリットが、多様な人種、言語、文化を受け入れ、多様性が世界で最も進んでいる場所といえるでしょう。

 

ハワイに住む人種の内訳をみると、アジア人が約40%、白人が約20%、その他をヒスパニックやネイティブ・アメリカンといった人たちが構成しています。アジア人の人口が一番多く、白人は少ないのです。

 

後ほど詳しく説明しますが、日本人も古くから移住していて、文化を継承するために、お雛様とこどもの日が「ガールズデー」「ボーイズデー」として学校の行事の中にあったりします。もちろんハワイアンの文化も継承していますから、学校でフラやハワイ語の授業もあります。

 

このように、相手の文化も尊敬して取り入れ、また、自分たちの文化も理解してもらえるようにしているところが、ほかの州にはない特徴です。

経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親

経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親

イゲット 千恵子

経済界

なぜ、教育熱心な親、多くの一流芸能人が 子どもを連れて「ハワイ移住」を選択するのか? “読書感想文はパワポでプレゼン!?” “高校生でベンチャー起業はザラ!?” これを知って衝撃を受けない親はいない! ハワイで…

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