「相続税申告書」作成の際に必要となる書類一覧

今回は、「相続税申告書」作成の際に必要となる書類等について見ていきます。※本連載は、税理士の松本 繁雄氏の著書、『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令)の中から一部を抜粋し、相続税額の計算方法や、相続税申告書の作成方法などをご紹介します。

株式、預貯金、債務の調査方法とは?

前回の続きです。

 

(3)上場株式

 

①銘柄・株数・所在場所……預り証、照合書、取引残高報告書などを基にして調べます。

 

②株価……相続開始日の終値および相続開始日の属する月以前3か月間の各月の月平均株価を証券新聞や、税務署への問合せで調べます。

 

(4)取引相場のない株式

 

①株式発行会社の所在地・名称・株数……株券、預り証等で調べます。

 

②評価方法……原則的評価方式により評価する株式であるか、配当還元方式によって評価する株式であるかの別を、株式の取得者、株式の発行会社の規模などを基にして調べます。

 

③会社の財産内容……その株式の評価方法に応じ、1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額などの株式の評価に必要な事項を会社に照会するなどして調べます。

 

④類似業種の月平均株価……必要事項について税務署に問い合わせます。

 

(5)預貯金

 

相続開始日における預入残高のほか、定期預金、定期性預貯金については、その預入年月日、約定利率、解約利率および利息に対する課税区分を預入金融機関に問い合わせるか、残高証明書の交付を受けます。

 

(6)債務

 

借入金、支払手形、未払金などの債務については、その種類、金額、利率、返済期限、債権者の住所、氏名なども調べておきます。葬式費用について、領収書がない場合や紛失したような場合には、その支払先、支払金額、支払目的などを調べておく必要があります。

 

戸籍謄本などは「3通以上」用意しておくと好都合

(7)準備書類

 

申告書を作成するにあたっては、次の書類を準備します。

 

①戸籍謄本(被相続人と相続人全員)、②住民票抄本(相続人分)、③印鑑登録証明書(相続人および受遺者分)、④遺言書の写し、⑤遺産分割協議書、⑥土地、家屋の固定資産税評価証明書、⑦土地借地権の測量図または略図、⑧土地、家屋の賃貸契約書、⑨有価証券の明細書、⑩預貯金残高証明書、⑪借入金、未払金の明細、借入金残高証明書、⑫固定資産税・住民税の納税通知書、⑬死亡退職金、生命共済金等の支払通知書、⑭葬式費用の明細書、領収書、⑮公益法人に相続財産を寄附した場合は、寄附の事実、財産の明細などを記載した書面および特定公益法人に該当することの証明書。

 

戸籍謄本、住民票抄本、印鑑登録証明書などは、税務署、法務局、金融機関に提出する必要がありますので、それぞれ3通以上用意しておくと好都合です。なお、平成29年5月29日より運用開始予定の「法定相続情報証明制度」による法定相続情報一覧図の写しは、相続登記の申請手続をはじめ、被相続人名義の預金の払戻し等、さまざまな相続手続に利用されることが見込まれています。

 

本連載は、2017年6月24日刊行の書籍『相続・贈与の実務 法務から税務対策まで』(経済法令研究会)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載事例で学ぶ相続税額の計算&相続税の申告手続き

昭和30年早稲田大学政治経済学部卒業。
農林中央金庫勤務を経て、昭和50年税理士試験合格、税理士登録。

著者紹介

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

相続・贈与の実務 法務から税務対策まで

松本 繁雄

経済法令研究会

相続税は、平成27年度の税制改正に伴う、納税者の大幅増加と租税回避への動向に効果的に対応する観点から、平成29年度の改正では、①相続税・贈与税の納税義務の見直し、②財産(土地、株式等)の評価方法の適正化、③物納…

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