内容紹介:
幻冬舎ゴールドオンライン執筆者としておなじみの小倉隆志氏がこの度、『企業のためのフィンテック入門』を上梓した。フィンテック・ブームの現状を俯瞰的に整理するとともに、あらゆるビジネスを激変させるほどのインパクトを持つ「BtoBのフィンテック活用」について詳細に解説、コスト削減や業務効率化に悩む企業、その担当者におすすめの一冊。
本書の内容は下記のとおりである。
第1章 AI、仮想通貨、ブロックチェーン……そもそも“フィンテック”とは?
フィンテック・ブームの経緯と実態
金融機関主導のIT活用が目立つ日本
フィンテックの可能性と限界
第2章 フィンテックの登場で既存の金融システムは崩壊する?
金融業の果たすべき役割とは?
日本の金融業が直面する課題
日本の金融業の可能性とフィンテック
第3章 企業間決済に革命を起こす 急速に普及する電子記録債権とは?
電子記録債権とは何か?
電子記録機関とは何か?
電子記録債権の現状
第4章 企業の劇的なコスト削減とキャッシュフロー改善を実現 電子記録債権を活用した驚異の企業金融スキーム
一般的な活用法
「サプライチェーン・ファイナンス」と「POファイナンス®」
その他の新しいサービス
第5章 あらゆる企業がフィンテックを“使う”ことが当たり前の時代へ
社会の課題をフィンテックで解決する
金融は未来の懸け橋
本書「はじめに」にて、内容が明確に記されているので、その一部を抜粋し、ご紹介する。
アクセンチュアの調査によると、世界の企業が社内・社外に行ったフィンテック関連の投資額は、2008年から2014年に間に12倍にも膨れ上がっています。フィンテックはまさに、個人の生活とビジネスを劇的に変えるテクノロジーとして、経済界を中心に大きな期待を集めているといっていいでしょう。
そして、2017年に入ってからフィンテックに新たな動きが出てきました。家計簿ソフトや決済アプリのような「個人向け」のサービスから、企業のコスト削減や業務効率化といった「企業向け」のサービスへとトレンドが変化してきたのです。
この「B to Bのフィンテック活用」は、従来のあらゆるビジネスを激変させるほどのインパクトを持っています。特筆すべきは、一般企業のビジネスの基盤となる金融スキームを一変させられることです。
日本を含む先進国では、経済に大きな影響を及ぼす大手金融機関は法律や規則に守られ、高い収益を上げてきました。もちろん金融機関の存在がなければ、中小企業のほとんどが存続さえできないことは事実です。一方で、多くの中小企業は金融機関との取引で高額な利息や手数料を支払い、さらには融資打ち切りなどのリスクにさらされたりもしています。こうした既存の金融機関がこれまでに得てきた大きな利潤を中小企業や零細事業所といった利用者に還元し、同時に革新的な利便性を世の中に提供する。それを成し遂げられるのが、フィンテックなのです。
また、金融機関の構造を改革して中小企業や零細事業所に利益をもたらすことができれば、大企業を優遇する政策よりもよほど経済の発展に寄与します。なぜなら、日本の被雇用者(サラリーマン)の7割は、中小企業や零細事業所で働いているからです。フィンテックは、中小企業や零細事業所を取り巻く金融取引の因習を打ち破り、多くの国民(消費者)の所得を増やすためのテクノロジーだといえるでしょう。
本書では、フィンテック・ブームの現状を俯瞰的に整理するとともに、ビジネスに役立ち、世の中を変えていくフィンテック本来の姿を、電子記録債権を活用した企業向け金融サービスを通して解説します。
(「はじめに」より)
書籍名:企業のためのフィンテック入門
著者:小倉隆志
―プロフィール―
Tranzax株式会社 代表取締役社長
1986年一橋大学卒業、野村證券株式会社に入社。2004年4月からは株式会社エフエム東京執行役員経営企画局長として事業法人のCFOを務める。 その後2007年からCSK-ISの執行役員として新規事業開発を担当。2009年7月に株式会社日本電子記録債権研究所(現・Tranzax株式会社)を設立し、代表取締役に就任した。電子記録債権を用いた「サプライチェーン・ファイナンス」というまったく新しいサービスを提案し、多数の企業のファイナンス効率化とコスト低減を実現してきた。従来型の大手金融機関の知見とITの見識を共に備え、個人向けに限られていたFintechサービスを初めて一般企業で活用できる形に展開した、フィンテックネクストステージの先駆者。
出版社:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:本体1600円+税