2016年12月時点の切り替え率は「約4%」
Q:どれくらいの企業が電力会社を変えているの?
A:2016年12月末時点で低圧契約先の切り替えは、約250万件(全体の約4%)です。今後、ゆっくりと増加していくと予想されます。
低圧部門における電力会社の契約先の切り替えは、2016年4月の自由化から8カ月後には、約250万件(全体の約4%)となっています。今後、契約切り替えのメリットの認知が広まるにつれ、この数値は伸びていくと予想されています。
日本よりも先に電力小売り全面自由化されていたEU(欧州連合)各国では、自由化開始から時間が経つにつれ、切り替え率が上昇しています。これは、自由化後の新たな市場の状況や切り替えのメリット、さらに契約切り替え時の手続が複雑でないことについて、利用者が徐々に理解を深めていったからでしょう。
今後、コスト削減を図る消費者は一層増加する!?
2000年から自由化が進められた大規模施設(高圧や特別高圧契約)の状況は、この予想を裏づける結果となっています。高圧部門の小売りが全面的に自由化された2005年度の新電力会社による高圧需要家への販売は、約140万キロワット時でした。
これは、市場全体においてはわずか約0.4%という数値です。残りの99.6%は、既存の大手電力会社による販売となっていました。高圧部門における新電力会社の存在感は、非常に小さいものでした。
しかし、年を追うごとに、新電力会社による電力販売量は増し、高圧部門の自由化から5年たった2010年度には、1000万キロワット時(約3%)となりました。そして、10年後の2015年度には、約2800万キロワット時(約9%)まで拡大しています。これは、自由化された当初と比較すると、20倍ほどの電力販売量になります。
さらに2017年には、電力小売り全面自由化と併せてガス小売り全面自由化が始まったので、エネルギー業界全体の市場開放が格段に進みます。これを契機に切り替えによるコスト削減を図る消費者がより一層増加するでしょう。
[図表]高圧部門における新電力会社の割合