給与明細には「自分が支払ったお金」も記載されている
あなたは給与明細に何が書かれているか知っているでしょうか?
「手取り額だけ見て、捨てちゃうなあ」という人が多いかもしれません。
最近は紙で配るのではなく、各自がWeb上で閲覧できる会社も増えています。
そうなると「いちいち見るのは面倒だし、口座に振り込まれた金額を確認するだけ」という人もかなり多いようです。
もちろん、「手取り額が一番気になる」という気持ちは私もよく理解できます。
「手取り額=手元に入ってくるお金」ですから、「今月はどれくらいお金を使えるのか」を知りたいのは当然です。
でも、ちょっと待った!
手取り額だけを見ていると、自分にとって大事な情報を見逃すことになってしまうのです。
給与明細に記載されているのは、「自分がもらえるお金」だけではありません。
実は、「自分が支払ったお金」も記載されているのです。
働いたお金は、すべて手元に入るわけではない
社会人になり、一定の金額以上の給与をもらうようになると、今までは意識していなかった社会保険料や税金などが、あなたの給与から引かれていることに気づくでしょう。
あなたの給与のうち何割かは、会社があらかじめ天引きをして、国や地方自治体、健康保険組合などに納めているのです。
手取り額とは、それらのお金を差し引いた額です。
あなたが頑張って働いた分のお金が、すべて自分の手元に入るわけではないのです。
「えっ!?じゃあ、差し引かれた分のお金はどうなるの?」
きっとそんな疑問がわいてきますよね。
その答えを知るために、給与明細を見ることが大事なのです。
給与明細をもらったら、内容をすみずみまで見てみましょう。
そこには「控除」という欄があります。これが、給与から差し引かれるお金です。
控除にもいくつかの種類があります。
「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」などは、「社会保険料」です。
これらを毎月、会社を通じて納めているから、病気やケガをしたときに健康保険が使えたり、退職後に年金がもらえたりします。
「所得税」「住民税」は、「税金」です。
所得税は国に、住民税はあなたが住んでいる都道府県や市区町村に配分されます。
控除の欄を見て、「毎月こんなに引かれているの!?」と驚く人も多いでしょう。
実際に私も、給与明細を見たときに驚いたことを覚えています。
控除されたお金も、立派な「あなたのお金」です。
手取り額だけを見ていたら、自分のお金が「どこで、どのように使われているか」を知らずに過ごすことになってしまいます。
それって、とても怖いことです。