融資を受けることを目的に「利益」を水増し
決算書の利益を水増ししてしまう、粉飾決算。粉飾決算で融資を受けるということは詐欺行為なのですが、決算書を軽く見ているのか、経営者としての弱さなのか、一部ではいまだになくならないのが現状です。
粉飾決算によって、赤字であるにもかかわらず余分な税金を納めることになるため、個人事業主としては非常に負担が重くなります。さらに、一番の深刻な問題は、他人をごまかしているつもりが、長年、粉飾をしていると自分自身もごまかされてしまうところにあります。
赤字を決算書でしっかり認識して、金融機関など外部からも指摘を受けることは経営改善を行う最大のチャンスです。そこで初めて個人事業主の強みを深く見つめ直して、営業戦略の策定や、利益率の改善、固定費の削減などに取り組んでいけるのです。
粉飾方法としてメジャーなのは「架空在庫の計上」
粉飾のやり方としてよく見受けられるのは、架空在庫の計上です。仕入が600万円、期末在庫が100万円の場合を考えてみましょう。
販売した商品の売上原価は仕入600万円−期末在庫100万円=500万円となります。ここで架空在庫200万円を積増ししたらどうなるでしょう?
仕入600万円−(期末在庫100万円+架空在庫200万円)=300万円となり、原価が一瞬にして200万円削減できるというわけです。
[図表]架空在庫の計上