今回は、「損益計算書」の仕組みを見ていきましょう。※本連載は、ウエキ税理士法人の代表税理士で、中小企業の再生支援にも従事する中田隼人氏による著書、『コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉』(経済法令研究会)より一部を抜粋し、個人事業主の決算書の見方・読み方を、図表を交えてわかりやすく紹介します。

売上規模や利益の有無、赤字・黒字が人目でわかる

複式簿記の仕組みを理解したところで、実際に個人事業主の決算書1枚目を見てみましょう。決算書1枚目は損益計算書となっていますので、個人事業主の決算書の中で最も重要となります。

 

1年間、事業を行ってどれくらいの売上規模なのか、利益が出ているのか、それとも赤字が出ているのかが一目でわかります。

試算表を「毎月ベース」で作成する理由

決算書は、確定申告の直前に作成するのではなく、毎月ベースで試算表を作成しましょう。税務署のために決算書を作成するのではなく、経営に活かすために決算書を作成するのです。月単位で赤字が出ていることがわかれば、来月以降の営業展開や経費の見直しなどを月単位で対策が立てられるはずです。

 

また、毎月ベースで作成することで決算書の正確性は格段にあがりますし、黒字が出ている場合は決算前に節税対策や納税資金の確保といった資金繰り対策を立てることができます。

 

決算書1枚目の主要な勘定科目の数字は、決算書2枚目、3枚目、4枚目から転記します。それ以外は帳簿から転記します。

 

[図表]決算書1枚目の仕組み

コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉

コンサルティング機能強化のための個人事業主の決算書の見方・読み方〈2017年度版〉

中田 隼人

経済法令研究会

本書は、図解を多く用いることで、簿記の基礎や全体像が理解しやすい作りとなっています。さらに、個人事業主の決算書の見方・読み方を初学者でもわかるようコンパクトにまとめました。 2017年度版は「攻めの投資」を支援する…

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