前回は、不動産オーナーかつ経営者だからこそ実践できる、法人を活用した節税方法について説明しました。今回は、賃貸管理を任せる不動産業者の選び方などを見ていきます。

不動産業者の宅建免許番号は古ければ古いほど良い

賃貸の際の管理には、賃貸の物件管理(ビルマネジメント)と賃貸の営業管理(プロパティマネジメント)に分かれ、それを同時に取り扱っている大手会社があります。

 

一方、小規模な物件の賃貸の相談をする場合は、地場の不動産業者がベストです。何より地の利があり、その地域のことをよく知っているからです。ただし、高級マンションや外国人向けマンションなどは専業で取り扱っている不動産業者があるので、地域性よりもむしろ専門性を重視したほうがいいでしょう。外国人向け賃貸マンションの仲介・管理では外国語の壁もあるからです。これらの業者は簡単にネットで確認できます。

 

管理を依頼する場合の注意点は、管理料の他、特に賃借人の家賃の不払いの際の対応についてです。管理料が賃料の何%になるかは業者によって異なりますが、納得いく金額を支払うことで、賃貸専門の不動産会社は一生懸命になって家賃の不払い交渉、徴収交渉をしてくれます。各管理料の相場としては、通常賃料の3〜5%程度と考えてください。

 

信頼できる業者を探すことは、口でいうほど容易ではないと思いますが、賃貸の相談をする地場の不動産業者の良し悪しを見分けるポイントのひとつに、宅建免許番号があります。不動産業者は壁面に宅建免許を示す必要があり、その最初の番号が(1)か(2)か(3)のどれであるかで、その不動産業者の業歴や評判がある程度わかるのです。

 

(1)は5年まで、(2)は5年から10年、(3)は10年から15年、大きなトラブルなく、その地域で営業してきた証拠です。長く営業しているということは、地域での評判が上々であることも意味します。評判が悪ければ地場の不動産業者として長く営業を続けることはできません。

 

また、宅建免許の番号が古いと、その業者の代表は宅建協会の地域支部の役職者にもなります。そうなれば悪い評判が立つようなことはできません。つまり、宅建免許の番号が古いほど、その地域では安心して相談できる存在といえるのです。

「大手不動産業者だから安心」とは限らない!?

もうひとつ不動産業者を見極める方法があります。各都道府県の宅建免許係という部署にクレーム係があるのですが、その部署にはブラックリストがあります。

 

ブラックリストは公表されているわけではありませんが、見せてもらえば、たとえば「駅前の有名な不動産FC店が誠実そうなテレビCMとは裏腹に、クレームばかり受けている」といった実態もわかります。ですから、有名だから安心とはいえない業界だということは理解しておくべきでしょう。

 

なお、賃貸の仲介や管理をしている業者で、損保の代理店も兼ねている不動産業者があります。それも免許事業のひとつですから、一定の信頼ができ、評価できる業者と考えていいでしょう。

本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『塩漬けになった不動産を優良資産に変える方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

相馬 耕三

幻冬舎メディアコンサルティング

バブル崩壊以降、買ったはいいものの収益を生んでいない賃貸物件や、地価の暴落でほったらかしになっている土地を抱える不動産オーナーは多くいます。ソニー生命の不動産整備などを実現してきた経験豊富な不動産コンサルタント…

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