真のグローバルリーダーの育成に邁進
埼玉県立浦和高等学校は、1895(明治28)年創立の公立男子高校であり、120年以上の歴史を武蔵野の地に刻んできました。校歌に「広き宇内に雄飛せん」とあるとおり、これまで各界で活躍する3万人超の卒業生を送り出しています。
1世紀を超えて時代の荒波をくぐり抜けてきた「浦高」は、教育の王道を歩みながらも、常に進化し続けてきた学校です。
「尚文昌武(文を尚び、武を昌んにす)」の理念を脈々と受け継ぎながら、浦高は、知・徳・体のバランスのとれた、社会に有為な人材を育てることを愚直に追求してきました。質の高い授業を中心とした学力の伸長はもちろん、多彩な部活動や学校行事に没頭するなかで、心と身体を鍛え、世界を支える真のリーダーとしての資質を磨くことのできる学校です。
近年においては、単位制カリキュラムの導入、イギリスの名門パブリックスクール(ホイットギフト校)との姉妹校提携による長期・短期交換留学制度、3年間を見据えた戦略的進路指導、そして文部科学省による「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」指定など、先進的な取り組みにも果敢に挑戦しています。
これらを通して、単に外国語に堪能であったり、海外ビジネスで成功したりという枠を超えた、心身のタフさと優しさを兼ね備えた真のグローバルリーダーの育成に邁進しています。
「徹底研究! 日本の電力問題」もリーダー教育の一環
本書で取り上げる講座「徹底研究!日本の電力問題」も、そんな浦高がめざすリーダー教育の一端を示すものです。今の日本にとって、あるいは世界にとって、何が問題なのか――。こうした「問い」そのものを探究する活動を、浦高は、「総合的な学習の時間」の中で展開しています。
本連載を通じて、生徒と教師がともに知的探究を楽しむ姿、そして、浦高生が本気で世界を支えようとしている頼もしい姿を、垣間見ていただければ幸いです。
2017年1月吉日
埼玉県立浦和高等学校 校長 杉山剛士
[図表]浦高の校章