前回は、賃貸住宅の売却における、都市部などの「狭小地」での解体業者の選びかたについて取り上げました。今回は、工場の売却における、土壌汚染トラブルを回避するためのポイントを見ていきます。

土壌汚染対策は工場の高値売却の要諦

工場の高値売却を実現するためには、売主自身による解体と場合によっては土壌汚染の対策が要諦となります。売主自身が更地に加工することで買主の負担を軽減するとともに、「隠れた瑕疵(かし)」に対する不安を取り除くことができるためです。

 

解体工事は、複数の専門業者に依頼して見積もりをとることでコストを削減できます。土壌汚染については近年心配する買主が増えており、「もともと工場が建っていた」というだけでも買い控えをする事業者もいます。特に、買主が宅地などでの利用を計画している場合には大きなリスク要因となるため、あらかじめ調査をしておけば高値売却につなげることができます。

売却後に汚染が見つかると売買契約が無効に!?

古くから工場用地として利用してきた土地の場合には、売主自身は有害物質を取り扱った覚えがなくても、創業社長である祖父や父親の代に使用していた可能性があります。特に有害物質に対する取り決めである「公害対策基本法」は1967年に制定されたため、それ以前から稼働していた工場では、どのような有害物質が取り扱われていたのかを判断することは困難です。

 

売却後に汚染が見つかると、「隠れた瑕疵」と認定されて売買契約が無効になることがあります。また、買主の不動産開発が頓挫した場合、損害賠償請求を起こされることも考えておかねばなりません。契約後のリスクをなくすためにも、汚染の可能性があるなら調査を行うのが賢明です。

 

2003年に施行された土壌汚染対策法では、有害物質を取り扱う事業者は環境省の指定機関による調査が義務づけられています。売却を考える際には義務づけられている有害物質を取り扱ったことがないか、再度チェックしてみることが必要です。

 

汚染が判明した場合には適切な汚染土の撤去や土壌浄化をすることになり、解体と同じく複数の専門業者から見積もりをとって作業を委任します。

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    本連載は、2016年8月16日刊行の書籍『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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