上位に並ぶのはヨーロッパの国々
最近、旅行産業では、物見遊山的な「観光」から、様々な体験や滞在、会議やスポーツイベントなど、より明確な目的を持った旅行である「ツーリズム」の提案がなされるようになってきました。
ゆったりとした旅程を組み、移動よりも滞在を楽しむ旅に慣れたヨーロッパでは、予算に合わせた旅の楽しみ方がある一方で、中国など団体での買い物を重視する国もあり、近年増加する外国人観光客の受け入れにも、それぞれの出発地の地域性やニーズに合わせたもてなしを考える必要があるようです。
外国からの訪問者数を国別に比較してみると、上位にはヨーロッパの国々が並びます(図表1、2)。EU加盟国間は人の移動が容易で、バカンスの伝統もあることが、数字を押し上げる要因となっています。さらに歴史的な景観や美味しい食事など、世界中の人々を惹きつける魅力があるのでしょう。
ちなみに、日本は世界で27位。アジアでは8位で、サウジアラビアや韓国、シンガポール、香港といった、日本よりも人口が少ない国にも大きく溝を開けられています(2013年統計)。とはいえ、日本への外国人旅行客は年々増加しています。
[図表1]世界の外国人訪問者数(2013年)
[図表2]国別の外国人訪問者数(2013年)
外国人観光客の年間訪問数を「都市別」に地図化
下記の図表3は、市場調査会社の「Euro monitor international」社が行った「都市別観光客数ランキング」(2012年)※で、外国人観光客の年間訪問数の上位100都市を地図化したものです。
※ Euro monitor international "Top 100 City Destinations Ranking"
http://blog.euromonitor.com/2014/01/euromonitor-internationals-top-city-destinations-ranking.html
[図表3]都市別観光客数ランキング
赤い星印で示した上位10都市を挙げると、1位が香港(2,377万人)、2位シンガポール(2,134万人)、3位バンコク(1,582万人)、4位ロンドン(1,546万人)、5位マカオ(1,336万人)、6位クアラルンプール(1,334万人)、7位深圳(シンセン)(1,200万人)、8位ニューヨーク(1,162万人)、9位アンタリャ(トルコ)(1,029万人)、10位パリ(978万人)でした。