人口1億人、上場企業272社…小さいがユニークな市場
フィリピン株式投資の魅力は「銘柄数が少なく、その少ない銘柄の株価上昇率が高い」と説明しましたが、そのなかでも短期間で株価を一気に急上昇させる銘柄の発生率が極めて高いのも、フィリピン株式投資の魅力のひとつです。
1億人の人口に対して、上場企業が272社しかないという、日本では考えられないようなユニークで小さな市場は、有力銘柄に投資資金が集中しやすく、グッドニュースを受けて株価を上げる銘柄が多数現れることも特徴と言えます。
2016年も数多くの急上昇銘柄が誕生しましたので、そのなかから一部を本書でもご紹介したいと思います。
その他の株価急上昇銘柄についての情報は、巻末に読者様特典としてダウンロードできるようにしましたので、ご活用ください(書籍『1日5分、10万円からはじめるフィリピン株式投資』206ページ参照)。
[図表]2016年の急上昇銘柄の例
株価下落局面のスピードも「やや遅い」!?
昔から投資の世界では「上げ100日下げ3日」と言われ、下げ相場のほうが上げ相場よりスピードが早いと言われています。これは人間の心理行動に起因し、「儲けたい」という「欲」と「損したくない」という「恐怖(不安)」の心理が影響しています。
儲けが出てくれば「儲けたい」という「欲」から、どこで売ろうかと儲けを確定させたい「不安」が姿を現し、購入した株が下落していけば「損したくない」という「恐怖」が今売らないともっと下がると悪魔の囁きをするのです。
人間の心理パターンには「期待」は萎みやすく「不安や恐怖」は膨張しやすい傾向があるため、上昇するスピードより下落するスピードのほうが早いのが常です。
これはフィリピン株式投資でも同様で、上昇より下落するスピードのほうが早いのですが、それでも、日本株と比べると、その下落スピードはやや遅い傾向が見て取れます。日本株には「空売り」という株価が下がることで利益が出る仕組みが存在するためです。
下落スピードは上昇スピードよりも上がりやすいのに加え、株価が下落することで利益を作れる「空売り」という仕組みが加われば、さらに下げるスピードが加速し、ソロリソロリと上昇してきた株価が底が抜けたように、一気に下落する独特な動きを作り出すわけです。