売却したいときのシステムが安定しているハワイ
リゾートとしてのおすすめはハワイです。なぜなら、リマーケティングが充実しているからです。リマーケティングとは、売却したいときのシステムと考えればよいでしょう。そのため、中古物件でも日本より安心して購入することができます。
日本の別荘の場合、リマーケティングが充実しているとはいえません。別荘地として歴史のある軽井沢でも、売るに売れない別荘がゴマンとあります。日本の別荘地を購入して結局は誰も使わなくなり、売却もできず放ったらかしにするくらいなら、ハワイの別荘を購入したほうが売りたいときに売れるので安心して老後を楽しめる......、そのような印象すらあります。
なぜ、ハワイはリマーケティングが充実しているのでしょうか。それはリゾートとしての歴史そのものに答えがあります。ハワイは米国はもちろん世界中の資産家が集まる場所で、リピーターも多く、常に需要があるからです。友人とお金を出しあって購入する海外リゾート的な文化も育っています。
そのような状況にあるため、実際に築30年、40年の別荘でも新築と同じような値段で買い手がつきます。購入した別荘を年に1カ月だけ利用し、残りの11カ月は賃貸で運用することもよく行われています。その点から考えると、日本の別荘を購入して楽しむよりもはるかに資産価値を享受した生活ができるのです。ただし、賃貸に出して運用する場合は日本に比べて管理費の相場が高いので、「収益を上げる」というよりも「損をしない」感覚を持つほうがいいでしょう。
その他の特徴としては、別荘といっても一戸建ての家ではなくコンドミニアム形式が多いことが挙げられます。
また、リフォーム業が充実していることも評価すべきポイントです。リフォーム金額の相場も確立されていて、安価で、建物の一部分だけをリフォームしてもらうということも手軽にできます。リフォームして使い、売却して、購入者がまたリフォ―ムするという住まい方に慣れている地域ですから、日本のように業者選びに用心しなければならないようなことはまずありません。
ハワイは日本でも金融資産1億円以上といわれる富裕層に人気がある地域ですが、ハワイのコンドミニアム1室を購入するのに1億円も必要になることはまずありません。都内にファミリー層が住むようなある程度の広さのマンションを持っている人であれば、そのマンションの売却金で十分に購入できる金額です。だからこそ、老後の選択肢のひとつと考えておいてもいいのです。
相続税対策なら「相続税のない国」で購入する
もし、相続税対策として海外不動産を購入するなら、相続税のない国、税率の極端に低い国の不動産を購入するといいでしょう。日本以外の多くの国は相続税について属地主義を採用しており、不動産がその国にあれば、その国に相続税を納めます。日本はその点、税制全般に属地主義とはいえず、海外の不動産についても居住が日本であれば日本の相続税の評価財産に含めなければなりません。そのためオーストラリアなどは相続税制面からも人気があります。
いまは、海外分散投資も富裕層を中心に一般的になってきましたが、それはかつての日本ではできなかったことです。しかし時代は変わりました。また、もともと日本のパスポートは世界中でウェルカムなのです。海外の不動産を購入するにしても、一番歓迎されているのは日本人です。そのことを理解して積極的に利用してみるとよいでしょう。
それでも海外の別荘地は言葉や習慣の敷居が高く、できれば日本の別荘地を購入したいと考える資産家もいるはずです。
その場合は、「将来の利用」と「購入金額」を天秤にかけて、投資物件として見ずに、将来的に処分損を出してでも、利用価値を認めて購入するという考え方をおすすめします。なぜなら日本の国土は50%以上が別荘適地ですが、一部の地域を除いて再販市場が弱いからです。
そこに相続税対策や資産運用、土地活用といった考え方を入れると、楽しめないばかりか所有していることを負担に感じるようになり、かえって損をすることになります。むしろ、利用価値という面を捉えれば、安く購入できる会員制の別荘やリゾートマンションを利用するほうが得策です。