物件売却時に邪魔になりがちな「家具」だが・・・
無事マイホームを購入できた人の、次の仕事は何でしょうか? それは、家具をそろえること。加えて、窓のカーテンやブラインドの設置することです。
こちらは、中古物件であればカーテンは付いてくることが多いですが、新築だと付いていない事が多いので、自分で設置をしなければなりません。面倒に感じるかもしれませんが、それも楽しいマイホーム作りのひと時となるのです。
先日、オークションで無事売買成立したケースを例にとってご紹介しましょう。
家主は、約10年物件を自宅として所有していましたが、急遽自国へ帰国することになり、家の売却を決意されました。そこで悩んだのが、大物家具をどのように整理すればよいのかです。
フリーマーケットに参加したり、ウェブ広告で売却するなどの方法がありますが、時間のない人には厳しいですし、手間もかかります。
「家具付で売れればベストだ」という希望があったので、営業の際に「家具も別途販売しますよ」と話をすると、幾人かが興味を示してくれました。家具一式含まれるのであれば便利だね、という方もいました。
私達セールスコンサルタントとしても、家具を引き取ってくれなければ整理する時間を有します。誰かにあげて処分するのであれば簡単なのですが、家の売却価格と共に、この家具の販売も力の入る作業です。
さて、オークションが開始され、2名で競い合った結果、無事売買が成立しました。期待していた金額より6万NZドルも高い値段で売ることができました。
その喜びもつかの間、私が発した言葉は「家具は要りませんか?」との問いかけに。新オーナーになる方は、「要りません。一式もっているし、第一自分の好みではないです」と、するどい切り返し。
「家具もついていれば丁度いいわ」とコメントする方もいれば、必要なしと見向きもしない方もいます。
そこで私達が取った行動は、中古家具を扱う業者に電話を入れ、査定をしてもらうことでした。オークランドには、まだまだ中古家具を取り扱う店が沢山あるのです。
椅子一脚10NZドル、ベットも一つ100NZドル~50NZドルと、購入時は1500NZドルもしたベットが、10分の1から30分の1にまで安くなってしまいます。しかし、ゴミとして廃棄するにも費用がかかりますし、まだまだ使える品ですので捨てるには勿体ないのです。
3LDKの一軒屋に入る、家具一式の買取価格・・・さて皆様、いくらと思われますか?
答えは、450NZドル〜600NZドルです。移動代に80NZドルかかる店もあれば、無料のところもあり、条件に差が出ます。これは、写真を送ったうえでの見積価格です。
実際に家に来て、実物を見てから更に値切られることもありますが、それはこちらの腕のみせどころ。古いからと低く設定される品を、5NZドルでも上げてもらうよう依頼する手もあるのですが、なるべく家具の中で一押し商品を高値で買ってもらえるよう、椅子や10NZドル相当のものは、無料でいいわ・・・と駆け引きをしていきます。
結果的には、得する価格帯まで交渉することがおもしろい、という人間心理を利用した価格交渉です。
そんな低い価格でしか売れないのであれば、誰かにあげたり、寄付をするという方法もあります。500NZドル、600NZドルの価値しかないのであれば、喜んで寄付をしましょうという家主も多いです。
赤十字社や、サーベーションアーミーという元兵隊達が参加しているグループがあり、中古品を売却することで、運営に貢献している組織も幾つかあります。そこへ電話をすると、あっという間に全て持っていってくれるのです。そういう点では、社会貢献ができて、時間短縮で整理もできて、助かる話ではあります。
物を大事にする国、ニュージーランド。不動産投資で家を買い、市内のアパートメントやタウンハウスを賃貸投資として購入した場合、新品の家具を買わずに、こういった中古家具をうまく活用して投資額を節約し、賃貸運営をしていくという便利な仕組みがあります。
家も中古ならば、家具も中古品でそろえた方が、落ち着いて住める環境作りができるかもしれませんね。
家具を綺麗にディスプレイすることで、高値売却も可能
家を売却する際も、家具が設置がしてある物件と、家具なし物件では、やはり家具ありのほうがスムーズに売却できます。家具があることで、家が素敵に見え、さらには広くも感じるのです。
ニュージーランドでは、家を販売する際に、レンタル家具のサービスを提供している会社が複数あります。レンタルするだけではなく、家を素敵に見えるように、カラーコーディネートから、モダン、クラシックと家のタイプに合わせて設置してくれるのです。
1ヶ月のレンタル代は、3LDKで約3000NZドル。家主として、先行投資をする際にこの出費はきついですが、3000NZドルかけて家具をディスプレイして売ることで、売却価格にも影響してきます。
一方、中古物件の家がレンタル家具で設定されたら、とても素敵に見え、購入希望者が殺到します。いざ売却が成立し、家具が全てなくなってから家にいくと、「え? こんな家だった?」と思うこともよくあります。
このように家具は魔物でもあるのですが、基本的に、部屋のサイズ、今自分が持っている家具が入るかどうかの目安にもなり、マイホーム購入に大きく貢献しているのです。
下記の写真を見比べてみてください。異なる家ではありますが、家具ありと家具なしでは、部屋の広さの感覚が大きく違うと思います。家具なしでは、家の広さがわかりにくいし、色もないので平坦な家になってしまい、購買威力が湧いてこないことも多々あります。
[写真1]家具ありの状態
[写真2]家具なしの状態
豪華な家具で家の雰囲気作りをし、誰の目にも印象よく与えるディスプレイも、売却の際には、重要なポイントとなります。