戦後の民法・相続税制が事業承継を阻害する「壁」に
前回の続きです。
税制面についても大きな変化がありました。「相続税」です。第1回目の連載の事業承継クイズに出題したとおり、わが国に相続税が導入されたのは明治38年(1905年)日露戦争がきっかけでした。
すでに相続税が日本に導入されて100年以上は経過していますが、戦前は「賦課課税」であり、税率も低く税負担もそれほど大きなものではありませんでした。少なくとも、相続税の負担が円滑な事業承継を阻害するほどの影響はなかったとされています。
しかし、戦後の申告納税制度の導入、さらに高度経済成長期を経たことで、地価高騰による相続税負担の増大、最高税率の引き上げ、その他各種の税制改正を経て、相続税(そして贈与税)の負担が円滑な事業承継の阻害要因となってきました。
このように見てくると、戦後の民法および相続税制は、いずれも「100年企業」が過去に経験したことがないような、円滑な事業承継を阻害する「壁」となって立ちはだかっている事がわかります。このため、100年企業、200年企業がこれまで代々受け継いできた事業を将来にわたって円滑に承継するためには、従来の代替わりのときには必要がなかった法律対策と税金対策が必要となりました。
円滑な事業承継の実現には幅広い分野の知識が必要
そこで筆者が所属する株式会社アプレイザルは、2015年に「一般社団法人 事業承継検定協会」を設立して、【事業承継スペシャリスト検定講座】(全5講座・10時間)と、【事業承継マイスター検定講座】(全15講座・45時間)を立ち上げました。
【事業承継スペシャリスト検定講座】は初級・入門者向け、【事業承継マイスター検定講座】は中上級向けという位置づけで、いずれも全講座受講後に検定試験があり、合格された方は【事業承継スペシャリスト】、【事業承継マイスター】として認定登録されます。
【事業承継スペシャリスト検定講座】では、事業承継対策に必要な基本的な法務・税務とあわせて、最新の情勢にあわせたM&A・組織再編・民事信託などの講座を受けることが出来ます。そして【事業承継マイスター検定講座】では、実務に即した法務・税務の知識や事例と共に、自社株評価・債務保証・事業再生・会社法・一般社段法人の活用・医療法人の事業承継・生命保険の的確な活用など、幅広い分野の実践的な講座で学んでいただけるカリキュラムとなっています。