前回は、企業による海外進出におけるターゲット国の選び方について紹介しました。今回は、海外へのビジネス展開で進出先を選ぶ際の基本チェックポイントを見ていきます。

人口やGDPランキングで国の「規模」を把握

現在はいったいどのような海外市場への進出が望めるのでしょうか。

 

業種や製品やサービスにもよりますから候補は多様ですが、基本的には、人口が多いところ、経済規模が大きくて需要が旺盛なところ、日本と距離が近くて、移動や輸送にコストがかからないところ、日本と文化が似ていて日本製品を受容してくれるところ、などが有力な候補と考えられます。

 

たとえば、世界の人口ランキングでいえば、1位の中国が約14億人、2位のインドが約13億人と圧倒的です。それから、3位のアメリカが3億2000万人、4位のインドネシアが2億6000万人、5位のブラジルが2億人、以下、パキスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、ロシア、メキシコと続いて、日本は11位となっています。

 

意外と日本の人口が多いことと、あまり注目されていませんが、インド、パキスタン、バングラデシュの中央アジアに、大きな市場が広がっていることがわかります。

 

とはいえ、人口が多いだけでは有望な市場とはいえません。

 

その国がどれだけ豊かで、商品やサービスを購入する余裕があるかを見るために、次は米ドルベースの名目GDPランキングを見てみましょう。

 

GDPでは、1位はアメリカで18兆ドル、2位が中国で11兆ドル、3位が日本で4兆ドル、以下、ドイツ、イギリス、フランス、インド、イタリア、ブラジル、カナダ、韓国、ロシア、オーストラリア、スペイン、メキシコ、インドネシアと続きます。

 

人口とGDPでいえば、やはりアメリカと中国の市場としての魅力は大きいといえるでしょう。

「距離」「日本文化の受容度」も判断材料

ですが、世の中は理論通りにはいかないところがあります。アメリカ、中国とひと口にいっても、その全土で一気に営業や商品展開をできるわけではありません。日本でも、関東と関西の市場が異なるように、アメリカや中国でも、州や都市によって市場が異なります。それを考えれば、最初の進出先として、アメリカや中国が最適であるとは言い切れないのです。

 

また、海外進出に際しては、日本からの距離も重要な要素になります。あまりにも遠い場合は、スタッフが行く手間も、製品の輸送コストも膨大になって、利益を上げるのが難しくなるからです。

 

日本の反対側にある南米(ブラジルやメキシコ)が、人口やGDPの面からは良い市場でありながら日本企業の進出が少ない理由は、距離が遠い点にあるのだと思います。

 

距離が近いことと、日本文化の受容度という点から、やはり東アジア、東南アジアの諸国が、海外進出の第一歩には向いているのではないかと考えています。

 

人口が世界1位で経済成長も続いている中国、最も距離が近く先進国である韓国、これから経済成長の波が来るASEAN諸国と、日本にはすぐ近くに有望な市場が目白押しです。ASEANの中では、人口が世界4位のインドネシア、親日で親交も深いベトナム、タイなどに、私は注目しています。

 

もちろん、最初の海外進出はアジアの周辺国家がよいというのは、あくまでも一般論にすぎません。

 

たとえば、カネカの付け毛のように、文化的・産業的にアフリカがいちばんということもあるでしょうし、東洋水産のインスタントラーメン「マルちゃん」のように、なぜか遠く離れたメキシコで大ヒットすることもあります。

 

何がどこで受けるかはやってみるまでは本当にコピーはわからないのが、ビジネスの醍醐味なのかもしれません。

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

田中 義徳

幻冬舎メディアコンサルティング

国内では売上・利益ともに頭打ちで生き残りが厳しく、海外進出を試みても撤退を余儀なくされる――中小企業はどこに活路を見出せばいいのでしょうか。 海外のマーケットでは、日本国内と同様のマーケティング、営業手法で成果…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録