「書き出す手法」で会社の方向性を可視化する
自社の強み、自社の弱み、外部の機会、外部の脅威の4つを箇条書きにできたら、次はそれらの分析に入ります。
このとき、縦軸に内部環境分析(自社の強み、自社の弱み)、横軸に外部環境分析(外部の機会、外部の脅威)を書き出して、それぞれに合わせて4つの象限(升目)をつくることで分析がしやすくなります。
つまり、内部要因である「強み」と「弱み」、そして外部要因である「機会」と「脅威」をかけ合わせて比較するのです。
たとえば、先ほどのキッコーマンの例でいえば、「強み」である圧倒的なブランド力と醸造技術、「機会」である海外における和食文化拡大をかけ合わせれば、海外で販売を拡大する方向性が見えてきます。
[図表]キッコーマンのSWOT分析
分析しながら思いついたことは、とりあえず書き込む
現にキッコーマンは2020年ビジョンとして「しょうゆ世界戦略」を打ち出しており、「キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする」という目標を掲げています。
一方で、海外における和食文化拡大や健康食志向拡大といった「機会」に乗じて、「弱み」である新製品開発力や多角化の遅れを改善する方向性も考えられます。
また、「強み」である国内シェアの高さに対して、国内の市場縮小という「脅威」への対抗策を考えておく必要もあります。
一方、「弱み」と「脅威」をかけ合わせた部分は、専守防衛または縮小撤退すべき分野になるので、この事業領域での縮小や撤退といった方向性を検討すべき領域です。
これらの分析結果を、4つの象限に書き込んでいきます。分析をしながら、新たに「強み」「弱み」「機会」「脅威」を思いつくこともよくあるので、その場合は遠慮せずに書き足していきます。