「事業主の私」と「個人の私」の借入を区別する
一般的な「勘定科目」のなかで、お金の公私の区別をつけるために覚えていただきたいのが、「事業主借」「事業主貸」です。
事業主借とは、言葉通り、事業主個人からの借入のこと。つまり、事業主の「私」が、個人の「私」からお金を借りたことを意味します。事業主貸は、その逆で、事業主個人への貸出になります。事業主の「私」が、個人の「私」に生活費を「貸した」際に使う勘定科目です。「?」となった方もいらっしゃるかもしれませんが、個人事業主の場合は、給与制ではなく、基本的に売上から経費を引いた残り、利益が生活費となります。
つまり、場面によって、事業用資金が個人のモノとなったり、逆に個人の資金が事業用資金となったりする。
こうしたお金の流れをクリアにするために、
●事業の資産から事業主個人へお金が移動した場合「事業主貸」
●「個人用のお金を事業用の資産として移動させた場合」、または「事業用の経費を個人のお金で支払った場合」は「事業主借」
として記帳するわけです。
1日の終わりに、出納帳残高と現金有高をチェック
この「事業主借」「事業主貸」は、個人事業主の際に適用される勘定科目で、法人の場合は「借入金」、一時的に立て替えた金額については、「立替金」と記入します。
日々、現金のやりとりについて現金出納帳をつけたら、1日の終わりに、出納帳の残高と現金有高(事業用財布の中に入っているお金の額)が合うかどうかをチェックし、もし一時的に個人で立て替えたお金があれば、事業用財布から個人の財布に戻しておきます。
それでも合わない場合は、出納帳の転記・計算ミス、記入もれなど、不一致の原因をしっかりとチェックしましょう。
こうしてお金の出入りの〝見える化〟を習慣化すれば、「何に使ったかわからないけど、手元の現金がなくなっていた!」という事態も防げまず。どんぶり勘定からも脱出できるはずです。