高額マンションの売却益、外国人投資家にはどう課税される?「日米租税条約」の意外な関係【国際課税の専門家が解説】

高額マンションの売却益、外国人投資家にはどう課税される?「日米租税条約」の意外な関係【国際課税の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

東京の都心部ではマンション価格の高騰が続き、10億円を超える物件に加え、100億円を超える物件も登場しています。こうした高額不動産を外国人投資家が売却して利益を得た場合、日本で税金は課されるのでしょうか。実は、かつての日米租税条約の下では、日本国内の不動産を保有する法人の株式を売却することで、日本での課税を回避できる余地がありました。米国の外国人不動産投資税法(FIRPTA)や日米租税条約の改正をたどりながら、非居住者による不動産譲渡益の課税関係と、今後の制度上の課題を解説します。

非居住者による投機的な不動産投資にどう対応するか

今後、非居住者による投機的な不動産投資が広がり、短期間での売買によって利益を得る取引が問題となるのであれば、課税のあり方を検討する余地があります。

 

例えば、所有期間が2年程度以内の超短期譲渡について、新たな区分を設け、通常の短期譲渡所得よりも高い税率を適用することも選択肢の一つです。

 

もっとも、こうした制度を導入する場合には、非居住者だけを対象とするのか、国内居住者にも適用するのかといった課税の公平性に加え、投機的な取引と通常の資産売却をどのように区別するかも検討する必要があります。

 

また、課税強化によって不動産市場にどのような影響が生じるのか、既存の譲渡所得課税や租税条約との整合性をどう確保するのかといった点も重要です。

 

高額不動産の取引をめぐる課税問題は、単に外国人投資家への課税を強化すれば解決するものではありません。不動産の所有形態や譲渡方法、居住地国との租税条約などを踏まえ、公平で実効性のある制度を設計することが求められます。

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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