(※写真はイメージです/PIXTA)

孫の誕生や七五三、入学などを楽しみにしている祖父母は少なくありません。ただ、親世代と祖父母では、家族行事への関わり方や「どこまで手伝うか」の感覚が異なることもあります。善意でしてきたことでも、相手が負担に感じていれば、ある日突然、思いがけない形で距離を置かれることがあります。

「俺は邪魔だったのか?」息子から聞かされた理由

その日の夜、正一さんは亮介さんに電話しました。

 

「俺は邪魔だったのか?」

 

亮介さんはすぐには答えませんでした。やがて、「そういう言い方じゃないんだけど」と前置きして、これまで美咲さんが感じていたことを話し始めます。

 

行事のたびに予定を変えようとすること。孫が嫌がっていても、「せっかくだから」と写真や抱っこを続けようとすること。そして美咲さんが断る役になる場面が多かったこと。

 

「俺から言わなきゃいけなかった。美咲だけに言わせたのは悪かった」

 

亮介さんはそう謝ったといいます。正一さんは納得できず、「だったら、そのとき言えばよかったじゃないか」と返しました。

 

すると亮介さんから、「何回か言ったよ」と指摘されます。

 

「今日はもう疲れてるから」「それは俺たちで決めるから」

 

確かに言われた記憶はありました。ただ正一さんは、それをその場限りの話だと受け取っていたのです。

 

七五三当日、正一さんは参加しませんでした。代わりに、お祝いとして用意していたお金だけを事前に亮介さんへ渡し、「写真、できたら見せてくれ」と頼みました。

 

後日、美咲さんから送られてきた写真には、着物姿で笑う孫が写っていました。正一さんは「かわいいな。ありがとう」とだけ返信したそうです。

 

それから数週間後、息子一家が正一さんの家を訪れました。

 

孫が「じいじ」と寄ってきたとき、正一さんは以前のようにすぐ抱き上げず、「抱っこしていいか?」と聞きました。孫は少し笑って、「いいよ」と両手を伸ばしたといいます。

 

家族の行事を楽しみにし、孫のために何かしてあげたいと考えること自体は珍しくありません。しかし、子世帯が求めている関わり方は、孫の成長や家庭の状況によって変化します。互いの希望をその都度確かめることが、無理のない関係を続けるうえで大切になりそうです。

 

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