(※写真はイメージです/PIXTA)

孫が幼いころに始めたお小遣いやプレゼントも、成長すれば金額や渡し方を見直す時期がやってきます。ただ、何年も続けているうちに、「会えばお小遣いを渡す」という流れが、家族の間でいつの間にか当たり前になっていることもあります。その習慣を変えたとき、これまで気づかなかった家族それぞれの思いが見えてくることもあるでしょう。

「お小遣いのために会ってたの?」母娘で確認したこと

長女一家が帰ったあとも、節子さんはその言葉が気になっていました。

 

自分は、孫に会いたかった。お小遣いは、そのときに渡していただけのつもりでした。

 

「でも娘からしたら、『お母さんがお小遣いを渡したいから、月に一度連れて行く』だったのかなと思ったんです」

 

実際、その翌月は長女一家から訪問の連絡がありませんでした。さらに翌月も、孫は部活動で来ませんでした。

 

節子さんから連絡することもできましたが、お小遣いをやめた直後に自分から「会いたい」と言うのも気が引けて、そのまま時間が過ぎていきました。

 

内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』では、60歳以上の25.2%が子や孫の生活費の全部または一部を負担していると回答しています。また、今後優先的にお金を使いたいものとして「子や孫のための支出(学費、こづかい等)」を挙げた人は25.8%でした。子や孫への支出は、高齢期の家計でも一定の割合を占めるテーマです。

 

2ヵ月ほど経ったころ、真由さんから電話がありました。節子さんは、思い切って聞きました。

 

「この前の話なんだけど。私がお小遣いをやめたから、もう来なくていいってことだったの?」

 

真由さんは驚きました。

 

「そういう意味じゃないよ。お母さんが毎月会いたがってるのは、お小遣いを渡したいからだと思ってたところもあったの」

 

真由さんの説明は、節子さんが想像していたものとは違いました。

 

孫が中学生になったころから、休日に祖母宅へ行くことを面倒がる日もあったそうです。それでも真由さんは、「おばあちゃんが楽しみにしているから」「お小遣いも用意してくれているから」と連れてきていました。

 

節子さんもまた、孫が毎月来るからお小遣いを用意していました。どちらが始めたともいえない習慣を、お互いに「相手が望んでいるから」と続けていたのです。

 

「だったら、来たいときに来ればいいよ。私は顔を見られたらうれしいんだから」

 

節子さんがそう伝えると、真由さんも「最初からそう言ってくれればよかったのに」と笑いました。

 

その後、孫が毎月来ることはなくなりました。数ヵ月会わないこともあります。一方で、孫本人から「今度そっち行っていい?」と連絡が来ることもあります。

 

節子さんは、そんな日に5,000円を用意することはやめました。昼食を一緒に食べ、学校の話を聞きます。

 

「会う回数は前より少ないですよ。でも、『今月も来なきゃ』『お小遣いを渡さなきゃ』という感じはなくなりました」

 

親子や祖父母と孫の関係では、長く続けている習慣ほど、その理由を改めて確認する機会は少ないものです。

 

お小遣いを渡すことも、定期的に会うことも、双方が望んでいるのであれば続ければよいでしょう。ただ、生活や年齢が変わったときには、それまでの習慣を変えることもできます。「今までそうしてきたから」だけで続けず、互いにどうしたいのかを言葉にすることが、家族との付き合い方を整えるきっかけになるのかもしれません。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録