(※写真はイメージです/PIXTA)

孫へのお小遣いや家族での外食など、子や孫のためにお金を使うことを楽しみにしている人もいるでしょう。一回ごとの金額は大きくなくても、回数が増えれば年間ではまとまった支出になります。年金生活に入った後も以前と同じ付き合い方を続けるうち、家族に使うお金を見直す人もいます。

月2回だった外食が数ヵ月に1回に…母娘が初めて話したこと

それから、長女一家との外出は少しずつ減っていきました。以前は香織さんから「今度の日曜、お昼食べない?」と連絡が来ていましたが、1ヵ月、2ヵ月と誘われない時期が続きます。

 

孫へのお小遣いも、会うたびに渡すのはやめました。その変化と外出が減った時期が重なったため、恵美子さんはどうしても考えてしまったといいます。

 

「私がお金を出さなくなったから、会わなくなったのかなって」

 

ただ、長女からそう言われたわけではありません。高校生になった上の孫は部活動が忙しく、中学生の下の孫にも友人との予定があります。

 

恵美子さんが長女ときちんと話したのは、それからしばらく経ったころでした。久しぶりに2人だけで会った際、恵美子さんは思い切って尋ねました。

 

「最近、みんなで会わなくなったでしょう。私がお金を出さなくなったからかなって、ちょっと気になってたの」

 

香織さんは否定しました。

 

「それも全然ないとは言わないよ。前はお母さんが『食べに行こう』って言って、そのまま出してくれることが多かったから。でも子どもたちも予定が合わなくなってきたし、4人で外食すると結構かかるから、うちも前ほど行かなくなったの」

 

恵美子さんは、その返事を聞いて少し安心した一方、自分も「会うこと」と「何かしてあげること」を結び付けていたのかもしれないと思いました。そこで、付き合い方を少し変えることにしました。

 

外食でなくても、長女だけを自宅へ呼んでお茶を飲む。孫が来たときには、必ずしもお小遣いを渡さず、一緒に夕食を食べる。

 

誕生日や入学など、自分が祝いたい節目には、これまで通り無理のない金額で贈ることにしました。

 

「前は孫が来ると、『何を買ってあげよう』と考えていたんです。今は来たら『夕飯食べていく?』くらい。それでいいのかなと思えるようになりました」

 

65歳以上の一人暮らしは今後も増えると見込まれています。内閣府『令和7年版高齢社会白書』では、65歳以上人口に占める一人暮らしの割合は2020年時点で男性15.0%、女性22.1%。2050年には男性26.1%、女性29.3%になると推計されています。

 

家族にお金を使うことは、それ自体が問題なのではありません。本人に余裕があり、楽しみとして納得して支出しているのであれば、一つのお金の使い方でしょう。

 

ただ、一度始めた援助やお小遣いは、いつの間にか渡す側にも受け取る側にも「いつものこと」になりやすいものです。家計や生活が変わったときには金額や頻度を見直し、お金を使わなくても続けられる関わり方を考えてみることも、家族との付き合いを長く続けるために必要なのかもしれません。

 

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