月2回だった外食が数ヵ月に1回に…母娘が初めて話したこと
それから、長女一家との外出は少しずつ減っていきました。以前は香織さんから「今度の日曜、お昼食べない?」と連絡が来ていましたが、1ヵ月、2ヵ月と誘われない時期が続きます。
孫へのお小遣いも、会うたびに渡すのはやめました。その変化と外出が減った時期が重なったため、恵美子さんはどうしても考えてしまったといいます。
「私がお金を出さなくなったから、会わなくなったのかなって」
ただ、長女からそう言われたわけではありません。高校生になった上の孫は部活動が忙しく、中学生の下の孫にも友人との予定があります。
恵美子さんが長女ときちんと話したのは、それからしばらく経ったころでした。久しぶりに2人だけで会った際、恵美子さんは思い切って尋ねました。
「最近、みんなで会わなくなったでしょう。私がお金を出さなくなったからかなって、ちょっと気になってたの」
香織さんは否定しました。
「それも全然ないとは言わないよ。前はお母さんが『食べに行こう』って言って、そのまま出してくれることが多かったから。でも子どもたちも予定が合わなくなってきたし、4人で外食すると結構かかるから、うちも前ほど行かなくなったの」
恵美子さんは、その返事を聞いて少し安心した一方、自分も「会うこと」と「何かしてあげること」を結び付けていたのかもしれないと思いました。そこで、付き合い方を少し変えることにしました。
外食でなくても、長女だけを自宅へ呼んでお茶を飲む。孫が来たときには、必ずしもお小遣いを渡さず、一緒に夕食を食べる。
誕生日や入学など、自分が祝いたい節目には、これまで通り無理のない金額で贈ることにしました。
「前は孫が来ると、『何を買ってあげよう』と考えていたんです。今は来たら『夕飯食べていく?』くらい。それでいいのかなと思えるようになりました」
65歳以上の一人暮らしは今後も増えると見込まれています。内閣府『令和7年版高齢社会白書』では、65歳以上人口に占める一人暮らしの割合は2020年時点で男性15.0%、女性22.1%。2050年には男性26.1%、女性29.3%になると推計されています。
家族にお金を使うことは、それ自体が問題なのではありません。本人に余裕があり、楽しみとして納得して支出しているのであれば、一つのお金の使い方でしょう。
ただ、一度始めた援助やお小遣いは、いつの間にか渡す側にも受け取る側にも「いつものこと」になりやすいものです。家計や生活が変わったときには金額や頻度を見直し、お金を使わなくても続けられる関わり方を考えてみることも、家族との付き合いを長く続けるために必要なのかもしれません。
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

