誇大広告に騙されてはいけない
腸内環境は、中に棲む細菌のバランスにより大きく左右されます。理想のバランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7ですが、現代人は食生活やストレスなどで悪玉菌が増えやすいので、善玉菌を増やす努力をしておくに越したことはありません。もし便秘や下痢、ガスがたまるなどの、何らかの腸の不調を感じている人ならなおさらです。
では、どうしたら腸内環境は良くなるのでしょうか。この本を手にとってくださっているみなさんのほとんどは、最低でも一つか二つは、腸に良い食べ物や健康法を知っていたり、実践していたりしているのではないでしょうか。
ヨーグルト、乳酸菌のサプリメント、食事法・・・、数ある中から何が最も〝効き目〟があるのか、選ぶのに迷っている、という人もいるのではないかと思います。
人はどうしても宣伝力の強いものに惹かれがちです。例えばある商品や健康法を、知名度の高い医師がテレビや雑誌で紹介していたとしたら、「試してみようかな」という気になるものですし、テレビCMでよく見る商品なら、「人気がありそう」「信頼できそう」という印象を受けやすいものです。
定番の整腸法の中には、効果が期待できないものも…
しかし、乳酸菌と腸を長年にわたり研究してきた立場としては、今、ブームにのり、話題となっている整腸法の中には首をかしげざるを得ないものがいくつもありますし、すでに定番となっている方法にさえも、消費者に過大な期待を抱かせているものが少なくないと感じています。
本連載では、腸の健康法として一般によく知られているものを取り上げ、研究活動から得た知見をもとに、あまり語られていない本当の効果を解説していきます。まずは、誰でも知っているヨーグルトから始めましょう。