「もう限界でした」…〈年金月15万円〉の母、75歳で要介護に。仕事も友人も手放しかけた46歳娘が「自分の人生」を取り戻した日

「もう限界でした」…〈年金月15万円〉の母、75歳で要介護に。仕事も友人も手放しかけた46歳娘が「自分の人生」を取り戻した日
(※写真はイメージです/PIXTA)

「母を一人にできない」と、仕事や友人との時間を後回しにして母の介護を担ってきた46歳の女性。しかし、仕事もプライベートも。自分の人生すべてを母に捧げてしまっていることに気づきます。親を大切に思うからこそ下した、女性の決断とは?

「お母さんのことは大切。でも…」

その日の夜、香織さんは母に思いを打ち明けました。

 

「お母さんのことは大切。でも、もう限界なの。私も自分の人生を生きたい。今のままでは続けられない」

 

香織さんは改めて地域包括支援センターに相談。母も説得を受け、訪問介護やデイサービスを利用することになりました。介護のすべてを担う必要がなくなると、香織さんにも少しずつ自分の時間が戻ってきました。

 

その後、母の状態が進行したため、最終的には介護施設への入居を決めました。施設を見学した帰り、母は香織さんにこう言ったそうです。

 

「香織、ありがとう。これからは自分のために時間を使ってね」

 

その言葉に、香織さんは涙が出たといいます。

 

「人に任せたり、施設に入れるのは、母を見捨てることだと思っていました。でも、そうじゃなかった。母のために、自分の人生まで諦める必要はなかったんです」

親の介護で自分の人生まで犠牲にしない

厚生労働省によれば、要支援・要介護認定者は2021年度末で約690万人。2000年の約256万人から20年余りで倍増しています。介護は一時的なものではなく、長期にわたることも少なくありません。

 

また、総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、介護・看護を理由に過去1年間に前職を離職した人は10万6,000人。うち8万人が女性でした。

 

介護は、家族の仕事や収入、生活そのものに大きな影響を与えます。だからこそ、「親のために」と一人で抱え込むことには注意が必要です。介護サービスを利用することも、施設への入居を検討することも、親を見捨てる行為ではありません。

 

いくら親を思う気持ちがあっても、自分一人での介護には限界があります。

 

介護サービスや公的支援を活用することは、甘えではなく、責任ある選択です。今後、誰もが直面する可能性がある介護。早めの準備と理解が、家族が安心して暮らすための鍵になります。

 

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