「お前なんて、もう息子じゃない!」孫に会いたい一心だった年金11万円・72歳父、息子夫婦から帰省を“拒まれた”末路【FPが解説】

小川洋平
「お前なんて、もう息子じゃない!」孫に会いたい一心だった年金11万円・72歳父、息子夫婦から帰省を“拒まれた”末路【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くのシニア世代にとって、年に数回、お盆や正月に帰省してくる子や孫の成長は、老後の人生において最高の楽しみの一つでしょう。しかし、実家への帰省は現代の子育て世代にとって思わぬ負担となっていることも……。本記事では、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、山田正雄さん(仮名)の事例とともに、実家帰省を巡るトラブルについて解説します。

息子夫婦が帰省を拒む理由

「ごめん。今年も帰れないと思う」

 

その一言に、山田さんは耳を疑いました。「おばあちゃんの十三回忌にも戻れないとは、どういうことだ!」これまで我慢していた不満が、一気に噴き出しました。

 

「墓参りにも来ない。孫の顔も見せない。こっちはお前たちが帰ってくるたびに、どれだけしてやったと思ってるんだ!」

 

すると、それまで父親の話を黙って聞いていた息子も、ついに本音をぶつけます。

 

「頼んでないだろ。帰るたびに金を使って、だから帰ってこいっていわれても困るんだよ。こっちだって子どもの塾代もあるんだ」

 

息子一家にも事情がありました。12歳になる子どもはこれから進学を控え、塾や習い事への支出が増えていました。物価も上がるなか、数万円かかる実家への交通費は決して小さな出費ではありません。

 

さらに、帰省に消極的だったのは息子だけではありませんでした。妻もまた、夫の実家へ帰ることに大きな負担を感じていたのです。

 

山田さん宅はいわゆる「本家」。お盆や正月には多くの親戚が集まります。ところが、昔ながらの習慣が残るこの家では、女性たちが作った料理を並べ、食後の片付けをする横で、男性陣は素知らぬ顔で居間に座り酒を飲んでいる……。そんな光景が当たり前でした。息子はそんな妻と実家との板挟みになっていたようです。

 

それでも山田さんは、「昔は盆と正月に実家へ帰ってくるのが当たり前だった!」と納得できません。

 

口論の末、ついに山田さんはいってはならない一言を口にします。

 

「もういい。お前なんて、もう息子じゃない!」

 

電話は切れ、その後、息子から連絡が来ることはほとんどなくなりました。

 

孫に会いたくて、喜んでもらいたくてお金を使ってきた山田さんでしたが、思わぬ形で関係が切れてしまうことになったのでした。

 

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