前回は、不動産投資で「管理費」や「修繕積立金」が大幅に上がるリスクはないのかを検証しました。今回は、金利の上昇にも備えた不動産ローン活用のポイントを見ていきます。

金利が低いうちにローンを組んで、どんどん返す

<ケース紹介>

 

不動産投資セミナーに参加したIさんは、今は金利が低いので、マンションの買いどきだと感じていました。でも、「これから先、金利が上がった場合にどうなるのか」が気になって、あと一歩が踏み出せないでいたのです。

 

「金利が上がったら、毎月の支払いはどのくらい増えるのか」「5万円、10万円とローンの返済額が増えたら、支払っていくのはとても無理」と心配していました。

 

その不安をセミナーで伝えてもらい、「○年後○%に金利が上がったら」というシミュレーションを何パターンも作成し、ローンの支払額がどのくらい変わる可能性があるのかをご説明しました。

 

Iさんはその説明を聞いて、金利が上昇したからといって何万円もローンの支払額が増えるわけではないことを理解し、マンション投資を始めることができました。

 

<説明>

 

金利が上昇すれば、毎月のローン返済額は増えます。心配なのはもっともなのですが、金利上昇によるローン返済額の増額は「○年後に○%金利が上がったら、毎月の返済額は○円上昇する」と具体的に計算することができるものです。

 

では実際に、Iさんが購入した物件をもとに、10年ごとに金利が0.5%上がったと仮定して、ローン返済額の変動を見てみましょう。

 

以下の図表を見てください。確かに、金利が上がるとローンの返済額は上がっています。

 

[図表]ローン返済額と増額幅

 

ただ、ここで気づいてもらいたいのが、「増額幅」がだんだんと小さくなっていることです。10年後と30年後の増額幅を比べてみると、前者は4900円、後者は1100円です。

 

毎年金利が同じように0.5%上がっているのにもかかわらず、返済が進み、ローン残債が少なくなるほど、ローン返済額の増額幅は小さくなるのです。

 

つまり、「これから金利が上がるのが怖いから、ローンを組むのをやめよう」と考えるのか、「金利が低いうちにローンを組んで、どんどん返していこう」と考えるのか。実際にマンション投資を始めている方は、後者のように考えていることが多いようです。

余裕のある運用プランを立てることが重要

<アドバイス>

 

金利の上昇は予測しにくいものですが、それを見越して運用プランを立てることはできます。いくつかのパターンのシミュレーションをして、無理があると感じるようならプランを練り直しましょう。

 

大切なのは、余裕のある運用プランを立てることです。そうすれば、もし返済額が増えても、その余裕の部分で吸収でき、あわてずに継続していくことができます。

本連載は、2016年12月27日刊行の書籍『目指せ自立女子! 23歳からの不動産投資術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

目指せ自立女子! 23歳からの不動産投資術

目指せ自立女子! 23歳からの不動産投資術

北野 小百合

幻冬舎メディアコンサルティング

将来に不安を持つ20代女子のための一冊。 ・まだ投資は早いかと思っている ・何からすれば良いかわからない ・投資=難しいと思っている ・お金がたくさん必要だと思っている (お金持ちじゃないとできない) ・将来に対して…

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