米国は「失敗した挑戦者」に寛容?
なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
その背景には、失敗に対する考え方の違いがあります。日本では事業に失敗すると、「失敗した経営者」という評価を受けることがあります。金融機関からの評価も厳しくなり、再起が難しくなるケースも少なくありません。
一方、米国では失敗は挑戦の結果として受け止められる傾向があります。シリコンバレーでは、「一度も失敗したことのない起業家は信用できない」という言葉さえあるほどです。
税制も同じ考え方に基づいています。大きなリスクを取って事業に挑戦し、仮に損失が発生した場合でも、その損失を将来の利益と相殺できるようにすることで、再挑戦の機会を支えているのです。
富裕層は「税金を払わない」のではなく「税負担を管理」
日本では節税という言葉に対して、あまり良いイメージを持たない方もいるかもしれません。
しかし、富裕層や企業経営者が考えているのは、税金をゼロにすることではありません。重要なのは、課税所得をどのようにコントロールするかです。
たとえば米国の富裕層は、
・不動産の減価償却
・事業損失の活用
・投資損失との相殺
・事業再編による所得調整
などを活用しながら、長期的な視点で税負担を管理しています。つまり、「税金を払わない」のではなく、「いつ税金を払うか」を考えているのです。
日本の富裕層が重視するのは相続税対策
一方、日本の富裕層が特に意識するのは相続税です。
日本の相続税最高税率は55%に達するため、
・不動産購入
・資産管理会社の設立
・生前贈与
・生命保険の活用
などを通じて資産承継対策を行うケースが多く見られます。
つまり、日本では「財産をどう残すか」が重要なテーマとなり、米国では「所得をどうコントロールするか」が重要なテーマになる傾向があります。同じ節税でも、重視するポイントが異なるのです。
