テイラー・スウィフトも準備中?米国で広がる「婚前契約書」の実態――離婚時の財産分与を結婚前に決める理由【国際税理士が解説】

テイラー・スウィフトも準備中?米国で広がる「婚前契約書」の実態――離婚時の財産分与を結婚前に決める理由【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米国では式の準備と並行して進められることがよくあるのが「Prenuptial Agreement(婚前契約書)」です。婚前契約書は、離婚や死別が起きた場合に備え、財産や相続、事業の扱いなどを事前に取り決める制度です。かつては富裕層や有名人のための制度と考えられていましたが、近年は一般の若い世代にも急速に広がっています。本稿では、『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』を刊行した奥村眞吾税理士が米国の婚前契約の事情について考察します。

婚前契約書で最も重要な「財産開示」

婚前契約書を作成するうえで最も重要なのが、双方による財産開示です。

 

何を所有しているのか、どのような負債を抱えているのか、将来どのような相続財産を受け取る可能性があるのか――こうした情報を正確に開示しなければ、公平な契約は成立しません。

 

逆にいえば、何を持っているのか分からないままでは、離婚時に何を受け取り、何を放棄するのかについて合理的な合意を形成することは不可能です。

 

そのため、婚前契約書の作成は結婚式直前ではなく、かなり前の段階から弁護士や会計士を交えて進められるのが一般的です。

財産を混ぜると個人資産ではなくなる

米国では夫婦が共同名義の銀行口座を持つことは珍しくありません。また、税務上は夫婦合算申告を行うケースも一般的です。

 

しかし、個人資産と夫婦共有財産が混在すると問題が生じます。たとえば、親から相続した資産や結婚前から保有していた財産であっても、夫婦共有口座に移したり、生活費と混在させたりすると、その資産の出所を証明できなくなる場合があります。

 

それにより本来は個人財産であったものが共有財産と判断される可能性もあります。このため、資産家ほど財産を分けて管理し、記録を残すことを重視しています。

テイラー・スウィフトの音楽資産はどう扱われるのか

テイラー・スウィフトさんの場合、最大の資産の一つが自身の音楽作品です。特に楽曲のマスター権は象徴的な存在です。一度は他者に売却されましたが、2025年に買い戻したことを公表しています。

 

また、テイラー・スウィフトさんは過去の恋愛経験を楽曲の題材としてきたことでも知られています。元交際相手とされるジェイク・ギレンホールさんやハリー・スタイルズさん、ジョー・ジョナスさんとの関係が楽曲に反映されているとファンの間では広く語られてきました。

 

そのため、仮に婚前契約書を作成するのであれば、資産だけでなく、プライバシーや結婚生活に関する情報公開についても何らかの取り決めが行われる可能性があります。

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