「お義母さん、いつもありがとうございます。でも…」嫁の告白
その日も、順子さんは新しく買ったワンピースを持って、息子夫婦の家を訪れていました。
「見て、このお洋服可愛いでしょ! あ、前に渡したおもちゃどうだった? 遊んでくれてる?」
しかし、その日、嫁の麻衣さんは少し困ったような表情を浮かべながら、思い切ったようにこう言ってきたのです。
「お義母さんには本当に感謝しているんです。いつも気にかけてくださって、たくさん贈り物もいただいて……。でも、服はすぐサイズが合わなくなりますし、おもちゃも置き場所がなくなってしまって。もう大丈夫ですから」
気を使いながらの言葉でしたが、それでも自分の愛情を否定されたようで、ショックを受けた順子さん。その隣で、息子の康太さんはあっけらかんと、こう言いました。
「正直なところ現金のほうが助かるかな。おむつ代とか保育園の準備とか、結構お金がかかるから。実は、着られなくなった服や使わなくなったおもちゃは、フリマアプリで売ったりしてるんだ。置いておいても、しょうがないから」
その言葉に、順子さんは耳を疑いました。
「あげたものを売っていたの?」
「正直、プレゼントはもういらない」
「ごめんなさい。でも捨てるのはもったいなくて。売ったお金は、おむつ代や子ども用品を買うのに充てています」
麻衣さんが、横からフォローします。実際、麻衣さんはプレゼントを受け取るたびに笑顔でお礼を言っていました。順子さんの優しい想いはわかっていましたし、義母と嫁の円満な関係を崩したくなかったからです。
しかし、マンション暮らしのため収納スペースには限りがあります。また、着せる服やおもちゃを夫婦自身で選びたいという考えがありました。年金暮らしの順子さんからもらったものを、活用しきれないことに罪悪感もあったのでしょう。
「ハッキリ言わなければ、この先もずっと続いてしまう。気持ちはありがたいけれど、“順子さん目線のプレゼント”はもういらない」――それが、本音だったのです。

