「ばあちゃん、プロだったのかよ…」30年前に祖父から4億円を継いだ96歳祖母が他界。39歳孫が遺品のノートで発見!預金通帳よりも“衝撃的な数字”と、老い先短い祖母が挑んでいた“最後の勝負”【FPが解説】

「ばあちゃん、プロだったのかよ…」30年前に祖父から4億円を継いだ96歳祖母が他界。39歳孫が遺品のノートで発見!預金通帳よりも“衝撃的な数字”と、老い先短い祖母が挑んでいた“最後の勝負”【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

資産を遺す際、多くの人が「金額」ばかりに目を奪われがちです。しかし、本当に価値があるのは、その資産を「なぜ持ち、どう運用してきたか」という「持ち主としての責任」の承継です。自分がこの世を去ったあとも資産が健全に育ち続ける仕組みを作ることは、家族に対する最大級の愛情といえるかもしれません。本記事では高橋さん(仮名)の事例とともに、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が理想的な相続の形に迫ります。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

4億円の資産のほかに祖母が受け継いでいたもの

静江さんが保有していた金融資産の大半は、現金ではなく個別株でした。しかも、そのほとんどが数十年単位で保有されている国内株式。食品、通信、商社、小売、インフラ関連など、数十銘柄に分散投資されており、なかには祖父が亡くなったころから持ち続けている銘柄もありました。

 

健太さんが目を見張ったのは、その運用状況です。株主優待を利用して外食や買い物を楽しみ、配当収入だけで年間数百万円を受け取っていた様子。そして、その配当金で再び新たな株式投資を行って資産を拡大することを祖母は何十年も続けていました。「老い先短いからね」なんて気弱なことをたびたび口にしていた祖母からは想像もつかない事実に、健太さんは面喰ってしまいました。

 

ノートには細かい字でびっしりと、「この会社は高齢化で需要増」「不況でも利益率が落ちにくい」など、銘柄ごとになぜ長期で成長が期待できるのか、その分析が記載されていました。静江さんは亡くなる直前まで新聞や会社四季報を読み、投資先を研究していたのです。

 

「ばあちゃん、プロだったのかよ……」健太さんは思わず呟きました。

 

家族はノートを読んでも内容が難しく、ほとんど理解できませんが、売らずに長期で保有することと、株式を売らずとも相続税を支払えるように、納税資金の準備のために生命保険も活用しており、納税資金は十分に確保されていました。

 

健太さんは祖母の資産の2分の1を代襲相続することになりましたが、その株式配当だけでも年間約300万円になる見込みです。あとからわかったことですが、静江さんの対策は、自身の死後だけに留まりませんでした。祖母は亡くなる直前まで元気で自立して生活できていたため、利用することなく済みましたが、自分が認知症になった場合に備え、任意後見契約までしっかり準備してあったそうです。

 

老い先短いと語っていた人生のなかで、静江さんが最後に挑んでいたのは、自分の死後も、家族が困らず、資産が育ち続ける仕組みを作ること。

 

その完璧すぎる準備に、家族はただただ唖然としてしまいました。

相続の「理想形」

相続対策は残された家族が困らないようにすることが重要です。相続人同士でトラブルにならないよう、「誰に、いくら相続させるのか」を決めておき、相続税が発生する場合には納税資金をどう確保するかを考えておく必要があります。特に、資産家の場合、相続税の問題は避けて通れません。

 

不動産や配当などの、継続的に大きな収入が期待できるような遺産の場合、手元にお金がない状態でも、高額な納税資金を準備しなければならないケースもあります。

 

静江さんのケースが理想的だったのは、単に資産を遺しただけでなく、以下の3点を網羅していた点です。

 

・遺言書によるトラブル防止と、保険による納税資金の準備。

・「なぜこの会社を選んだのか」という投資思想をノートで伝え、次世代が迷わず長期保有できる土壌を作った。

・自身の保有目的を(ノートを通じて)家族に明確に伝えていた。

 

特筆すべきは、自分が選んだ株式について「なぜ長期保有するのか」「どういう視点で会社を見るべきか」なども細かくノートに残し、自分の死後も家族がそのまま長期保有できる形を考えていたという点です。自分が夫(健太さんの祖父)の相続で苦労をしたことから、家族に二の舞にさせないためだったのかもしれません。

 

相続は法律、税金を網羅した戦略を考え、保険商品の機能、さらには金融資産運用に関する知識が必要になり、対策するかしないかでは結果が雲泥の差になるものです。静江さんのケースは、理想に近い財産の承継だったといえるでしょう。

資産に責任を持ち続けるということ

国税庁の「令和5年(2023年)分 相続税の申告事績の概要」によると、2023年分の相続税申告件数は約15万5,000件。被相続人の約9.9%が相続税の課税対象となっています。高齢化と資産価格の上昇により、相続問題はいまや一部の富裕層だけの問題ではありません。

 

株式などの金融資産の相続は、不動産以上に「みえにくい資産」であることも多く、家族が内容を把握できないまま混乱し、最悪の場合、相続税が払えずに相続放棄するようなケースも散見されます。

 

静江さんのように、資産の所在を整理し、遺言や納税資金、認知症対策まで準備しておくことで、家族の負担は大きく変わります。そしてなにより印象的なのは、ご自身で考え、自分の資産に責任を持ち続けていた姿勢でしょう。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【短期償却】5月27日(水)オンライン開催

《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法

 

【資産運用】5月30日(土)オンライン開催

「金(ゴールド)価格」は今後どうなるのか?
インフレ・増税時代を乗り切る“資産防衛術”

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧