「共依存」からの脱却へ
恵一さんは大きな決断を下しました。担当のケアマネジャーにすべてを打ち明け、和子さんの「要介護3」への区分変更申請と、特別養護老人ホームへの入所申し込みをしたのです。
和子さんは「見捨てるのか」と泣きましたが、恵一さんは翻しませんでした。
「母さん、俺たちは離れないと、お互いを嫌いになってしまう」
現在、和子さんは施設に入所。恵一さんは中小企業の社内SEとして再就職を果たしました。年収はかつての半分以下ですが、自分の稼ぎで生活し、週末に穏やかな気持ちで母に会いに行く。そんな「当たり前の自立」をなんとか取り戻しましたのです。
データが語る、現代の「介護」というリスク
厚生労働省「介護保険事業状況報告」によると、公的介護保険制度における要支援・要介護認定者数は2023年時点で約708万人。2000年度の約256万人から、20年余りで約2.8倍に急増しています。
また、2023年の雇用動向調査によれば、介護・看護を理由とした離職者は年間約7万3,000人。しかし、この数字には「仕事の行き詰まりを介護で隠して離職した」潜在的な層は含まれていません。
仕事に疲れた現役世代にとって、親の介護は「会社を辞めてもいい免罪符」になりがちです。しかし、介護は逃げ道になるほど甘いものではありません。
生命保険文化センターの調査では、介護期間の平均は5年1ヵ月。10年を超えるケースも珍しくありません。人生の貴重な時間を、親と憎しみ合いながら過ごさないためには、親の人生と自分の人生を切り離す勇気を持つことです。
まずは、自分の仕事を維持する。退職をしたい場合も、親の介護を言い訳にはしない。そして、介護においては介護サービスをしっかり活用し、必要に応じて施設利用も検討すること。介護による共倒れを防ぐためには、冷静な判断が必要です。
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