「このままで大丈夫か」見直しを迫られた生活
1年が経つ頃には、井上さんの中で不安が大きくなっていました。
「このペースでお金を使い続けて大丈夫なのかと考えるようになりました」
単純計算では問題ないはずでしたが、追加費用の発生や予測できない支出を前に、見通しが揺らぎ始めたのです。
「使い切るつもりでしたが、思っていたより減りが早いと感じました」
施設を退去するという選択肢も頭をよぎりましたが、再び住まいを探す負担や、生活の再構築を考えると簡単には決断できませんでした。
最終的に、井上さんは生活スタイルの見直しを進めることにしました。追加サービスの利用を減らし、外部の医療機関の利用方法も再検討しました。
「できる範囲で調整するしかないと思いました」
高齢期の暮らしは、入居時に思い描いていた通りに進むとは限りません。体調の変化やサービス利用の増減によって、支出のかたちも少しずつ変わっていきます。
入居後に見えてきた条件や変化に合わせて、暮らし方を調整していく——井上さんは、そうした形で現在の生活を続けています。
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