(※写真はイメージです/PIXTA)

十分な資産をもとに早期退職を選ぶ人もいます。仕事から離れ、時間に縛られない生活は魅力的に見えますが、実際には収入だけでなく、生活リズムや社会との関わり方の変化も影響してきます。資産があっても、その後の暮らしが思い描いたように続くとは限りません。

「戻れるなら戻りたい」再就職を決めた理由

退職から1年が経った頃、中村さんは再び働くことを考え始めました。最初はアルバイト程度でもいいと思っていましたが、次第に「もう一度きちんと働きたい」という気持ちが強くなっていきました。

 

「収入のためというより、生活を立て直したかったんです」

 

中村さんは、以前の勤務先に再雇用の可能性について相談しました。

 

「正直、頭を下げるしかないと思いました」

 

結果的に、条件は以前とは大きく異なるものの、再び働く機会を得ることができました。現在は、勤務日数を抑えた形で仕事を続けています。

 

「毎日働くわけではありませんが、生活にリズムが戻りました」

 

収入が増えたことで資産の取り崩しも減り、精神的な負担も軽くなったといいます。

 

「自由は手に入れたはずでしたが、自分には“何もしない時間”を使いこなす準備ができていなかったんだと思います」

 

早期退職そのものが誤りだったとは考えていません。ただ、その後の生活の組み立て方については、想定が甘かったと感じているといいます。

 

「働くかどうかは自由ですが、自分にとって何が必要かを考えることが大事だと分かりました」

 

資産があることと、日々の生活が安定することは必ずしも一致しません。中村さんにとって今回の経験は、「働くこと」と「暮らし」の関係を見直す機会となりました。

 

 

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