アフリカ各国との関係強化を図る日本
安倍首相の積極的な外遊で成果を上げつつあるアフリカやロシアとの経済協力。その成果は、今後の日本経済にどんな影響を与えるでしょうか。
アフリカの開発をテーマとした会議、第6回アフリカ開発会議(TICAD)は、2016年8月ケニアのナイロビで、日本主導で開催されました。そして「最後のフロンティア」としてのアフリカのインフラ開発などを中心に、アフリカ各国との密接な関係強化を図りました。
同じことを今、実は中国もやろうとしています。
中国は日本よりも早くアフリカに進出し、資源を抑えようとしている最中です。お金をばらまき、安い労働力である中国人を多数、アフリカ大陸に派遣しています。資源開発のために何十万人もの中国人を送りました。81万人という話もありますが、中国が発する統計自体、正確性が担保されていると言い難いこともあり、定かではありません。
ただ派遣された中国人労働者のマナーが悪く、現地の人々の評判を落とし、うまくいっていないようです。つまり、最初のやり方を中国は間違えてしまったのです。
今回のTICADに対しては、中国外交部が敏感に反応。「日経ビジネス」によると、「日本は自分の意志をアフリカに押し付け、私利私欲を図り、中国・アフリカ関係を挑発しようとしている」というコメントを発しています。
日本からすると、ビジネスマナーという面においても、具体的な経済協力という面においても、また、質のいいテクノロジーと労働力の派遣という面においても、アフリカ側がだんだんと日本の質の高さや技術力に理解を深め、今後ますます両者が接近する機運が湧いてきたところです。
日本が培ってきた技術力を活かす
8月の会議では、安倍首相は日本の企業関係者を多数同行させて、経済協力の橋渡し、仲介役も果たしました。今後、日本の企業は続々アフリカに進出することになるでしょう。
アフリカは資源も不動産も豊富。たとえば日本が工業団地を建設すれば、そこが生産拠点になるでしょう。気象条件やセキュリティーなどに問題もありますが、前進していくことは確かではないでしょうか。
たとえば、日本がアフリカに自動車工場をつくるとすると、生産はすべてロボットで行なう可能性があります。日本人は多数で駐在しない。現状では生活環境が劣悪だからです。
2020年には自動車生産をすべてロボットがやるようなITの技術革新が、日本で可能になるという予測も現実にあります。
自動車産業は、生産面でも機能面でも驚くようなスピードで自動化が進められています。ほとんどが自動化されつつあります。人の手がだんだん不要になっています。生産のほとんどがオートメーション化され、人間は完成した製品を運ぶだけ、というような状況が夢ではなくなりつつあります。
私たちが考えている以上に、日本の技術革新は急激な進歩を遂げつつあり、しかも常に継続しています。特にIT化とロボット化がめざましい成長を見せており、この勢いで東京オリンピックまで進むのではないでしょうか。