(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢になった親のお金の管理、どのようにしていますか。元気なうちは問題ないですが、高齢期になると、それまで当たり前にできていたことが突然できなくなることがあります。親が自分のお金の状況を自分で確認できなくなったとき、なにが起きるでしょうか? 本記事ではFPオフィスツクル代表の内田英子氏が、76歳の芳子さんの事例とともに、高齢期の資産管理の注意点について解説します。※本記事の事例は複数の相談をもとに、プライバシー保護のため脚色を加えています。税務・法務等の個別判断は各専門家にご相談ください。

私がバカだった…次男とともに確認した「衝撃の預金残高」

「ただごとではない」と感じた芳子さんは、次男の誠さん(仮名/49歳)に相談しました。誠さんは遠方に住んでおり、母の財産管理には関わっていません。驚いた誠さんはすぐに新幹線で駆けつけ、芳子さんとともに銀行窓口で取引履歴を確認することにしました。

 

すると、生活費として渡されていた額をはるかに超える引き出しが繰り返されていたことが判明。預貯金の残高は200万円を切っています。

 

「……信じた私がバカだったのよ」

 

顔を手で塞ぎ、小さな声でつぶやきました。

一番の問題は信じたことではなく「確認できない仕組み」

筆者は普段、現役世代を中心に家計設計のアドバイスをしていますが、リタイア前後の方から資産管理や取り崩しについて相談をいただくこともあります。どの場合であっても共通して大切にしているのは、「自分のお金がどこに、いくらあるのか」を本人が把握できる状態をつくることです。

 

芳子さんのケースを振り返ると、この“把握できる状態”が二段階で崩れています。第一段階は、夫の死をきっかけに家計の全体像を把握できなくなってしまったこと。第二段階は、通帳やカードの管理をすべて長男に任せたことで、確認できる手段を完全に失ってしまったことです。

 

第一段階の時点で手を打てていれば、第二段階までの進行を食い止めることができたかもしれません。

 

配偶者を亡くした直後、気力を失うのは自然なことです。しかし同時に、その時期こそ家計面では最も注意が必要なタイミングです。雅之さんに悪意があったのかはわかりませんが、通帳・印鑑・カードといった重要な管理が一人に集中し、任せた本人に確認手段がない状態ができあがった時点で、トラブルが起きやすい構造になっていたことは確かでしょう。

 

明確な悪意がなくても、構造そのものがトラブルの温床になっていました。

 

 

 

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※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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