(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活設計において、「家族がいるから大丈夫」と考える人は少なくありません。特に子どもが安定した収入を得ている場合、その存在が心理的な支えになることもあります。総務省『家計調査(2025年)』によると、高齢単身無職世帯の可処分所得は月約11.8万円に対し、消費支出は月約14.8万円と、平均で赤字となっています。こうした状況の中で、他者に依存した前提は思わぬ形で崩れることもあります。

息子の一言で見直した老後の設計

その後、智子さんは自分の生活を改めて見直すようになりました。

 

「今までは、“足りなければ頼ればいい”という考えでした。でも、それではいけなかったんだと気づきました」

 

厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の老齢基礎年金の平均受給額は月5万9,431円。年金だけで生活を完結させることの難しさは多くの人に共通していますが、それを誰がどう補うかは個別の問題です。

 

智子さんは、支出を見直すとともに、自治体の相談窓口を訪れました。生活費の見通しや利用できる支援制度について説明を受け、「自分の生活は自分で組み立てる必要がある」と実感したといいます。

 

「息子に頼ること自体が完全に悪いわけではないと思います。でも、それを前提にしてしまっていたのが問題だったんだと思いました」

 

家族の関係は、支え合いで成り立つものです。しかし、そのバランスは一方的に決められるものではありません。

 

老後の生活は誰かに委ねるものではなく、自分自身で組み立てていくものです。家族の存在は大きな支えになりますが、それに依存しすぎたとき、その前提が崩れるリスクも同時に抱えることになるのかもしれません。

 

 

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