近年、会社経営者やフリーランスの人々の間で、海外と日本を行き来する「プチ移住」への関心が高まっています。それにより、税負担軽減、収入増加、インターナショナルスクール入学などを実現させている方も少なくありません。『富裕層3.0 日本脱出』から一部を抜粋し、海外移住のメリットを解説します。

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気軽に実現できる「プチ移住」のすごいメリット

「海外移住」という言葉からなにを思い浮かべますか?

 

年配の方々なら、ブラジルやペルーへの移住を思い浮かべるかもしれません。南米への移住は、明治時代から第二次世界大戦後まで国策として行われており、「二度と故郷には戻らない」という強い決意のもと、一家そろって移住し、荒れ地を開墾して農場にしていきました。令和のいま、これを真似したいと思う人はまずいないでしょう。

 

スポーツ・芸術・研究などで才能ある人の海外移住を思い浮かべる方もいるかもしれません。野球の大谷翔平選手やサッカーの三苫薫選手のように欧米のプロリーグに参戦したり、あるいはノーベル賞受賞学者が米国の大学で研究を続けたりするようなケースです。一般人にはとても真似できませんね。

 

もっと身近な例としては、企業の海外駐在があるでしょう。たとえば、海外の工場の管理責任者になるために赴任するといったケースです。これならハードルは低そうですが、どこの国へ行くのか、何年間住むのかなど、自分の意志で決められず、決して自由な生き方ではありません。

 

私がここでお勧めしたいのは、これら3つの例の正反対、以下の3つの特徴を持つ移住です。

 

①いったん行ったら帰れない片道切符でなく、海外と日本を行ったり来たりできる移住

②ずばぬけた才能ある人だけでなく、普通の人もできる移住

③誰かに命令された移住でなく、住みたい場所・住みたい期間を自分で決められる移住

 

妙なたとえかもしれませんが、体にメスを入れる整形手術よりも手軽な、注射程度の整形を「プチ整形」といったりします。

 

同様に、退路を断った決死の覚悟の海外移住でなく、手軽で、だれもが工夫次第で気軽に楽しみながらできる移住を、本書では「プチ移住」と呼びたいと思います。

 

そんな気楽に楽しめるプチ移住のスキームを、以下で紹介していきます。

「プチ移住」の具体的かつ実践的方法

まず、プチ移住を3つのカテゴリーに分けてみましょう。

 

①FIRE移住

日本国内で営んでいる事業を売却、その売却した代金を持って海外移住し、香港やシンガポールの金融機関で安定的に利益の出る投資をしたり、金(ゴールド)や不動産に投資したりして、その収益で暮らしていくというスタイルです。

 

②会社オーナー経営者の移住

日本で会社を営んでいたオーナーが、会社のナンバー2に現場の仕事を任せ、自身は海外からリモートで監督していくというものです。

 

③フリーランス・スモールビジネスオーナーの移住

エンジニア・クリエーターなど、会社に所属せずに仕事をしている人も増えてきました。さらに、自分1人で作業をするレベルを超えて、数名でチームを組むスモールビジネスオーナーになっている方もいます。彼らの場合、極端な話、インターネットがつながっていればどこでも仕事ができます。そこで、暮らしやすく、税金も安くなる形の海外移住をするスタイルです。

 

①のFIRE移住は、悠々自適度が高く、のんびりできるのが特徴です。②の会社オーナーの移住は、会社オーナーとしてビジネスは気になりつつも、代表取締役は降りていますから、毎日あくせく働く必要はなく、かなり悠々自適度は高いです。③のフリーランス・スモールビジネスオーナーの移住は、現役で働いている人が住む場所を変えただけですから、悠々自適とはいいがたいでしょう。

 

とはいえ、税負担軽減や収入増加、お子さんの海外インターナショナルスクール入学など、みなさん日本時代よりもゆったりとした生活を送っています。

 

しかし、この3つを別々のスタイルとして考えないほうがいいでしょう。

 

日本の事業を売却したFIREでも、香港やシンガポールに会社を設立し、事業をしながら悠々自適に海外で暮らす①+②の方もいますし、会社オーナーとして海外移住したものの、会社のナンバー2へ徐々に権限を移し、②から①に近づいて行く方もいます。このように、①②③は、あくまでグラデーションのように考え(図表)、自分に向いた「プチ移住」のスタイルを探していきましょう。

 

出所:『富裕層3.0 日本脱出』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
[図表]プチ移住のスタイル 出所:『富裕層3.0 日本脱出』(ゴールドオンライン新書)より抜粋

 

 

小峰 孝史

OWL Investments代表取締役
弁護士

 

※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新の法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください

 

 

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