前回は、アパート経営におけえる様々な判断のシーンで求められる「姿勢」を説明しました。今回は、新築アパート経営で認識しておくべきリスクとその解決策について見ていきます。

不動産投資には、取るリスク以上のリターンがある!?

私が自信を持ってお勧めするアパート経営は、メリットがたくさんあるからこそ皆さんにお伝えしているわけですが、投資ですから、もちろんリスクを負うというデメリットもあります。

 

リスクと聞くと、敬遠される方が多いかもしれませんが、アパート経営に限って言えば、想定されるリスクのほとんどは、努力や工夫次第でマネジメントが可能です。

 

よく「不動産投資は、ほとんどが失敗するから手を出さないほうが良い」という話を聞きますが、不動産投資で失敗するのは、予想できるリスクへの解決策を持たないまま、安易に物件を購入してしまったからなのではないかと私は想像しています。

 

リスクはあります。しかし、それを上回るメリットがあることを知っており、実感しているからこそ、アパートを購入される方が後を絶たないのではないでしょうか。私もその一人です。

 

それでは、アパート投資、アパートを経営する上でのリスクや日々の不満を挙げてみます。企画・販売する側だからこそ知っていることも、包み隠さず書きます。

最初のパートナー選び、購入する物件選びが肝心

●アパート投資のリスクや不満

 

①共用部の清掃をしてくれない

②家賃下落

③成約するたびに、多額の広告料を取られる

④入居者の家賃滞納

⑤管理会社の倒産

⑥空室

⑦近隣の現況変化

⑧入居者が事件や事故を起こす

⑨自然災害や火災

⑩本人の死亡

⑪経年劣化によるメンテナンス

⑫日本経済の破たん

⑬戦争、暴動 など

 

まだまだ挙げればあるのでしょうが、ちょっと考えただけでもかなりの項目があり、怖くなります。しかし、このリスクや不満も含めて考えたうえでの購入決断を、お客様はされているのでしょう。

 

もう少し詳しく見てみますと、右記項目のうち①から⑥までが管理会社に関係する不満、⑦以下が、それ以外の対外的なリスクということになります。

 

そして、日頃実際に悩ませられるのは、①から⑥までの管理会社に関係するものです。ここで着目していただきたいのが、これらのリスクは人的な要因が大きいということです。それはつまり、努力や工夫次第でかなりの部分を改善することができるということを意味します。それぞれの項目に対し、解決策が必ずあります。要はそれを面倒くさがらず、するかしないかです。

 

そしてそれをより簡単に、対処解決することができるかどうかは、最初の企画段階での、家賃設定、立地や間取り、設備や仕様などが、大きく影響することはいうまでもありません。

 

⑧⑨⑩については火災保険や団体信用生命保険加入によりカバーできます。⑪のメンテナンスは、最初の建設時にどのような材料と材質により、どのようにつくられたかによって大きく変わってきます。ひとまず、毎月の積み立てをお勧めします。

 

こう考えて参りますと、かなりの部分でリスクヘッジが可能だということがわかってきます。

 

肝心なのは最初のパートナー選び、購入する物件選びだと言えるでしょう。特にパートナー(管理会社)が、どれだけオーナー様の身になって考え、行動してくれるかが非常に重要になってきます。

 

とにかく、リスクはたくさんあるものの、最初からわかっていれば対策を打つことができます。リスクがあるのはどの投資商品を選んでも同じです。そうであれば、より博打性の低い、新築アパート投資は、選択肢としてかなり有力候補になりうるのではないでしょうか。

本連載は、2016年11月30日刊行の書籍『新築アパート経営こそ副業の中の本業 成功の秘訣55』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

新築アパート経営こそ 副業の中の本業 成功の秘訣55

新築アパート経営こそ 副業の中の本業 成功の秘訣55

中島 厚己

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、アパート経営で、「毎月安定した収入を得ながら資産形成ができる」というノウハウが満載。なぜ、そんなことが可能なのか? 入居率99%のアパート経営を提案し続けて10年の実績を持つ著者が、入居者が入り続けるエリアを…

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