(※画像はイメージです/PIXTA)

なぜ私たちは、必要以上にモノを買い、SNSで共有し続けてしまうのでしょうか。現代の消費社会では、商品そのものではなく「意味」や「イメージ」を消費する「記号消費」が広がっています。本記事では、「COTEN RADIO」を手がける株式会社COTENの歴史調査メンバー・品川皓亮氏の著書『資本主義と、生きていく。~歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体』(大和書房)から一部を抜粋し、「推し活」をはじめとした具体例をもとに、SNS時代に加速する消費の本質について解説します。

〈消費〉という追手の正体

私たちがつい必要以上の商品を買ってしまうのは、その商品が単なるモノではなく「社会的地位」「理想の自己像」「他者からの承認」という記号としての意味をもっているからです。SNSから離れられないのは、そこが現代における最も効率的な「記号消費の場」だからです。


問題は、そのような記号の消費によって私たちが心からの満足を得ることが難しく、常に「次へ次へ」と急かされてしまうことです。このような状況では、私たちが何かを「ほしい」と思っても、それが本当に自分にとって必要な「真の欲求」なのか、他者によって作り出された「偽の欲求」なのかがわからなくなってしまいます。この「自分のほんとうの欲求がわからない」という引き裂かれた混乱状態が、消費という追手の正体なのではないでしょうか。


この追手から逃れるための第一歩は、何かを「ほしい」とか「したい」と思った心と少し距離を置き、「それは本当に自分の欲求か?」を自分自身に問いかけることです。普段買っているものやSNSに費やしている時間の5%でも10%でもこの区別によって削ぎ落とすことができたなら、小さな心の余白が現れてくることでしょう。

 

 

 

品川 皓亮

株式会社COTEN 歴史調査チーム

 

※本連載は、品川皓亮氏の著書『資本主義と、生きていく。  歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体』(大和書房)から一部を抜粋・編集したものです。

資本主義と、生きていく。 歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体

資本主義と、生きていく。 歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体

品川 皓亮

大和書房

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