物価高の時代、私たちがすべきことは?
今回の中東情勢の悪化をきっかけに、世界のエネルギー市場は大きく動きました。実際のところ、ホルムズ海峡が完全に封鎖されたわけではなく、別ルートで供給を確保できるパイプラインも存在するため、直ちに原油供給が途絶える状況ではないとされています。しかし、市場は将来のリスクを織り込むため、価格が上昇する傾向があります。
原油価格の上昇は、ガソリン代だけにとどまりません。輸送費の上昇や電気料金の上昇を通じて、食品や日用品の価格を押し上げ、あらゆる分野の物価高へ波及します。特に山本さんのように運送業に携わる人にとって、燃料費の高騰は死活問題です。こうした厳しい状況のなかで、私たちはどのような対策を講じるべきなのでしょうか。
まずは家計の「見える化」と固定費の見直しから
大切なのは、まずは家計を「見える化」することです。収入に対してどれくらい支出があるのかを整理すると、見直しできるポイントが浮き彫りになります。
たとえば、生命保険料や通信費、サブスクリプション等といった固定費の見直し。これらを整理し、「いくらくらいに支出を抑えれば、毎月必要な貯蓄に回せるか」をシミュレーションしてみましょう。
個人事業主ならではの制度を活用する
また、山本さんのように業務委託で働く個人事業主の場合、公的な制度を活用するのも一つの手です。たとえば、小規模企業共済に加入すれば、掛金を全額所得控除できるため、毎年の税負担を軽減しながら将来の退職金代わりとなる資金を準備することができます。
目の前の支出増だけを恐れるのではなく、「今後どれくらいのお金が必要で、いくら残したいのか」という明確なゴールを設定し、そこから逆算して家計を組み立てていく姿勢が求められます。
コントロールできない世界情勢と、コントロールできる家計戦略
資源エネルギー庁が公表する「エネルギー白書2024」によると、日本のエネルギー自給率は約13%(2022年度)にとどまり、主要エネルギーの多くを海外からの輸入に依存しています。さらに、日本が輸入する原油の約9割は中東地域から供給されており、ホルムズ海峡はその輸送の要となる海上ルートです。そのため中東情勢の緊張は、日本のガソリン価格や電気料金、物流コストに直接影響をおよぼします。
こうした国際情勢は個人の力で変えることはできません。ガソリン価格の高騰を嘆いても、状況は好転しません。しかし、家計の管理や将来の資金計画は、自らの意思でコントロールすることができます。
不確実な時代だからこそ、世の中の動向に感情的に振り回されるのではなく、冷静に数字と向き合いましょう。自らの生活を守るための戦略を考え、実行していくことが、これからの時代を生き抜く防衛策となるのです。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
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