定年まであと3年。地方都市で働く会社員の田中さん(仮名・62歳)は、妻との穏やかな老後を思い描きながら再雇用で働き続けていました。しかしある深夜、都内で暮らす娘から一本の電話が入ります。思いがけない告白は、田中さんの老後設計を大きく揺るがすことに……。その内容とは?

親が肩代わりする義務はないが…田中さんの決断

クレジットカードは便利な決済手段ですが、使い方を誤ると大きな負担になることがあります。特に注意が必要なのが「リボ払い」です。

 

リボ払いは、利用金額にかかわらず毎月の支払額をほぼ一定にする仕組み。一見すると月々の負担が小さく管理しやすいように見えますが、実際には利用残高に対して手数料(利息)がかかり続けるため、残高がなかなか減らないという特徴があります。

 

多くのカード会社では、リボ払いの手数料率は年15%前後に設定されています。例えば30万円の買い物をリボ払いにし、毎月5,000円程度の定額で返済していく場合、元本の減り方は非常に遅く、支払総額が50万円以上になるケースもあります。完済までに何年もかかることも珍しくありません。

 

返済中に新たな買い物をリボ払いで追加すると、残高は積み上がり続けます。毎月の支払額が変わらないため、利用者が負担の大きさに気づきにくい点も問題とされています。

 

さらに、キャッシングの金利も決して低くありません。多くのカード会社では年15〜18%程度に設定されており、短期間で返済できなければ利息の負担は大きく膨らみます。

 

成人した子どもの借金は、原則として本人の責任です。債務整理などの方法もあり、親が肩代わりする義務はありません。それでも、窮地に立たされた我が子を前にして、突き放すことができる親は多くないでしょう。田中さんもまた、その一人でした。

 

田中さんは妻と相談の末、貯金からお金を出して借金をいったん整理することに。老後の計画は大きく変わりました。65歳で退職するつもりでしたが、当面は働き続けるしかありません。

 

「正しい判断だったのかは、正直わかりません。でも、あのまま放っておくことはできなかった」

 

親としてどこまで手を差し伸べるべきなのか――。その答えに明確な正解はありません。ただ一つ確かなのは、田中さんの老後の計画が大きく変わったという事実。深夜の一本の電話が、その人生設計を書き換えることになったのです。

 

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