親が肩代わりする義務はないが…田中さんの決断
クレジットカードは便利な決済手段ですが、使い方を誤ると大きな負担になることがあります。特に注意が必要なのが「リボ払い」です。
リボ払いは、利用金額にかかわらず毎月の支払額をほぼ一定にする仕組み。一見すると月々の負担が小さく管理しやすいように見えますが、実際には利用残高に対して手数料(利息)がかかり続けるため、残高がなかなか減らないという特徴があります。
多くのカード会社では、リボ払いの手数料率は年15%前後に設定されています。例えば30万円の買い物をリボ払いにし、毎月5,000円程度の定額で返済していく場合、元本の減り方は非常に遅く、支払総額が50万円以上になるケースもあります。完済までに何年もかかることも珍しくありません。
返済中に新たな買い物をリボ払いで追加すると、残高は積み上がり続けます。毎月の支払額が変わらないため、利用者が負担の大きさに気づきにくい点も問題とされています。
さらに、キャッシングの金利も決して低くありません。多くのカード会社では年15〜18%程度に設定されており、短期間で返済できなければ利息の負担は大きく膨らみます。
成人した子どもの借金は、原則として本人の責任です。債務整理などの方法もあり、親が肩代わりする義務はありません。それでも、窮地に立たされた我が子を前にして、突き放すことができる親は多くないでしょう。田中さんもまた、その一人でした。
田中さんは妻と相談の末、貯金からお金を出して借金をいったん整理することに。老後の計画は大きく変わりました。65歳で退職するつもりでしたが、当面は働き続けるしかありません。
「正しい判断だったのかは、正直わかりません。でも、あのまま放っておくことはできなかった」
親としてどこまで手を差し伸べるべきなのか――。その答えに明確な正解はありません。ただ一つ確かなのは、田中さんの老後の計画が大きく変わったという事実。深夜の一本の電話が、その人生設計を書き換えることになったのです。
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