インフレ・円安の影響で「安い日本」「高い海外」に
その背景には世界的なインフレと円安があります。2022年ごろから本格的な円安傾向となり、海外での支出は日本人にとって割高になりました。さらに日本では賃金の伸びが鈍く、実質賃金は減少傾向が続いています。
一方で、2025年の訪日外国人数は約4,268万人と過去最高を記録。日本人の出国者数は約1,473万人にとどまり、「外国人が日本に来る数」のほうが、「日本人が海外へ行く数」を大きく上回る状況です。
散々言われてはいますが、海外から見ると日本は円安によって「安い観光地」に。日本人にとっては、海外が「高すぎる旅行先」になってしまったのです。
さらに、日本人のパスポート保有率は約18%(2025年時点)。つまり国民の8割はパスポートを持っていません。2010年代には22~25%程度で推移しており、将来的にはさらに増えると予想されていましたが、実際には減少。今年7月からの申請手数料の大幅値下げの効果が注目されています。
国内旅行のレベルアップも背景に
かつて海外旅行大国と言われた日本ですが、今や海外旅行は一部の人のものになりつつあります。ただし、円安や物価高で「国内旅行がやっと」という人はもちろん多い一方で、「海外ではなく国内旅行をあえて選ぶ」という人も。
温泉や四季の自然、地域ごとの食文化など、日本はもともと観光資源が豊富な国。個性ある宿泊施設やリノベーションされた古民家宿、地域色を打ち出した観光コンテンツなども増え、国内でも十分に非日常を味わえる環境が整ってきました。
移動時間が短く、短い休みでも楽しめる点も国内旅行の大きな利点です。治安や文化の違いへの不安も少ない。いくら“安い”といっても魅力がなければ外国人観光客は集まりません。遠くからわざわざ来たがる国なのですから、日本人が国内旅行を選ぶのも、ある意味当然といえます。
海外旅行が特別なものになりつつある一方で、国内旅行の満足度は高まり続けています。かつては「海外か国内か」で語られていた旅行の選択肢も、その価値観自体が少しずつ変わり始めているのかもしれません。
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