「親の老後」と「子の人生」がぶつかるとき
LIFULL HOME'Sが実施した「実家暮らしに関する調査(2025年、一都三県)」によると、40代の実家暮らしの割合は26.4%。4人に1人が実家で暮らしているという結果でした。
実家暮らしというと、子どもが親に頼っているイメージを持つかもしれません。しかし実際には、健太さんのケースのように、親が子どもの収入を家計の一部としてあてにしているケースも少なくないのです。
配偶者の死去、年金の少なさ、独身の子ども、長年の同居――。条件が重なると、親の生活は次第に子どもの収入を前提としたものになっていきます。そして、子どもが結婚するタイミングで、その依存関係が一気に表面化することがあります。
依存関係を続けないために必要なこと
とはいえ、親が高齢になれば、子どもがまったく関わらずに生きていくことも難しいのが現実です。大切なのは、依存関係をそのままにしてしまわないこと。
まず必要なのは、親の家計を冷静に把握することです。年金はいくらなのか、貯金はいくらあるのか、毎月の生活費はいくらかかっているのか。意外にも、親子でお金の話をきちんとしたことがない家庭は少なくありません。
健太さんの場合も、母の収入は年金の月13万円が中心ですが、父の残した預貯金が800万円ほどあることがわかりました。
「母は生活への不安を口にしていましたが、今すぐに立ち行かなくなる状況ではありません。ただ、年齢や今後の医療費を考えると、この先ずっと安心というわけでもない。いざというときは自分が支える覚悟は必要だと思いました」
もちろん、子どもが親を助けること自体は決して悪いことではありません。ただし、その援助が無理をして続けるものになってしまうと、今度は子どもの生活を圧迫してしまいます。
仕送りをする場合でも、結婚する配偶者との生活を守ったうえで、無理のない範囲にとどめることが重要です。金額や期間をあらかじめ決めておくことも、後々のトラブルを防ぐうえで有効でしょう。
親を思う気持ちと、自分の人生。そのどちらも大切にするためには、お互いが“自立した関係”でいることが欠かせません。親の老後と子どもの人生がぶつかるとき、必要なのはどちらかが犠牲になることではなく、現実を見据えた冷静な話し合いなのかもしれません。
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