前回は、ミネアポリスのパレードから垣間見る「アメリカの闇」についてご紹介しました。今回は、大リーグのナイター観戦の様子を見ていきます。

不況などないかのように「楽しみ」に徹するアメリカ人

アメリカの銃規制の問題は見方を変えれば、同国憲法修正第二条で武器所有の権利を保証していることに起因している。そして世界の警官を自ら任じているこの国は核兵器を使用するに至った。

 

量子力学で原子核の応用に道を開いた大物理学者アインシュタインは、ヒロシマの惨事を知って「私は物理を職業にしないで、配管工にでもなっていればよかったのに」と嘆いたという。余談だが、たまたま私の家業は建設配管業である。

 

ところで原子力は平和利用のお蔭で、世界の幸福に寄与した。だからこそ、使う人の心を核兵器破棄に向かわせなければいけない。

 

334複合地区合同晩餐会がホテルで行われた。白いタキシードの幹部のスピーチが多数。LCIF基金(世界の有志クラブ員の拠出で、現在アフリカなどの子供たちの視力改善などに多く使われている)金額貢献度はわがA地区が世界一との話に勇気が出た。ホテルのフルコースの料理はこの旅においては最高だった。

 

三日目は三千人収容のコンベンションホール(ホテルの南で割合近いので徒歩)満席で開会式である。現会長が自分の功績を長々と述べる。途中で十人のわがクラブ員は退席し、昼食をホテル近くの「ファイアーレイク」というイタリア料理店でとった。

 

真っ青で爽やかな空の中、午後の楽しい市内観光に出発。まず空港の南郊外に抜けて、全米最大のアウトレット「モール・オブ・アメリカ」を訪ねた。総面積三九万平方メートルの巨大複合ショッピングモールで、デパート四店、その他の店五百二十店、映画館も十四ある。

 

中央にアミューズメントパーク(遊園地)があり、専らそこを眺めていたが、幾多の華麗なジェットコースターが交錯し、若者たちの歓声嬌声が轟き全く明るい雰囲気で、不況などないかのように「楽しみ」に徹するアメリカ気質を呆れてみていた。十年前の渡米の時に比べて女性たちは肥満が多いように感じた。

メトロドームで大リーグのナイター観戦…客席は超満員

このモールで買い物をして気付いたが、ミネソタ州の消費税は一三パーセントだ。米国は連邦制なので五十の州がそれぞれ政府を持っているし、税金も州によって異なっている。小さい政府とアメリカを指すが、州の物品税など足すと結構大きな政府資金になってしまう。

 

夜は都心のメトロドームで大リーグのナイター観戦を楽しんだ。地元ツインズが強豪ヤンキースと対戦した。球場は空気膜方式のドームで、東京ドームはこれを手本にしたのだそうである。超満員の観客はマナーが良く静かだが、大スピーカーが怒濤のように鳴り響く。

 

客席の男性は暑苦しいほどメタボで、モールの女性同様、遊び人たちは今の不況を飲み食いで憂さ晴らしということか。それに対し昼の都心部のオフィス街路は閑散として、たまに見るビジネスマンたちだけはスラっとしていて、良き時代の面影を残していた。

 

本年の大リーグオールスター・アリーグは先発打順が1、イチロー(マリナーズ)。2、ジーター(ヤンキーズ)。3、マウアー(ツインズ)だったが、このナイターで二、三番を打つ名手を観ることができた。地元のマウアーは捕手としても全米一、首位打者も経験した長距離砲である。

 

ツインズの一九八七年のワールドシリーズ制覇にも貢献した。出場できた松井秀喜とここで初対面とは奇遇だったが、見事にヒットを放った。結局二点差でヤンキース優勢の場面で九時半になってホテルに帰った。

 

約十五分おきの路面電車で三区間で降りたら、夏の夜というのに屋外は一七度くらいの寒風で、大陸性気候を肌で感じた。

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