高齢期の支出は見えにくい
高齢単身世帯では、支出の実態が本人以外に把握されにくい構造があります。とくに通信販売やサブスクリプション型サービスは家族から見えにくく、積み重なると家計を大きく圧迫することがあります。
金融庁『高齢社会における金融サービスのあり方(報告書)』でも、加齢に伴う購買判断や資産管理能力の変化により、不要契約や過剰購入が生じやすいリスクが指摘されています。
和子さんは「たくさんあると安心なの」と言います。物の蓄積は本人にとって心理的な安心感につながっていました。しかしその消費内容は、実際の生活必要量とは乖離していました。
親の生活支援は、金額を補うだけでは解決しない場合があります。家計構造と消費習慣、そして心理的要因が重なり合うためです。
仕送りは生活を支える力になりますが、支出の流れそのものを変えるわけではありません。親の家計には外から見えにくい構造があり、「足りない」という言葉の意味さえ、支える側と食い違うことがあります。
健一さんは段ボールの山を見ながら思いました。
「母は、お金に困っていたわけじゃなかったんだな」
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