(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親に仕送りをしている家庭は少なくありません。特に単身高齢者では、年金収入だけでは生活費が不足するケースも多くあります。総務省『家計調査(2024年)』によれば、高齢単身無職世帯の平均消費支出は月約14.9万円ですが、住環境や健康状態、地域条件によって必要額には大きな差が生じます。家族が補填していても、家計の実態が共有されないまま支援が続くこともあり、親子双方にとって見えにくい負担となる場合があります。

高齢期の支出は見えにくい

高齢単身世帯では、支出の実態が本人以外に把握されにくい構造があります。とくに通信販売やサブスクリプション型サービスは家族から見えにくく、積み重なると家計を大きく圧迫することがあります。

 

金融庁『高齢社会における金融サービスのあり方(報告書)』でも、加齢に伴う購買判断や資産管理能力の変化により、不要契約や過剰購入が生じやすいリスクが指摘されています。

 

和子さんは「たくさんあると安心なの」と言います。物の蓄積は本人にとって心理的な安心感につながっていました。しかしその消費内容は、実際の生活必要量とは乖離していました。

 

親の生活支援は、金額を補うだけでは解決しない場合があります。家計構造と消費習慣、そして心理的要因が重なり合うためです。

 

仕送りは生活を支える力になりますが、支出の流れそのものを変えるわけではありません。親の家計には外から見えにくい構造があり、「足りない」という言葉の意味さえ、支える側と食い違うことがあります。

 

健一さんは段ボールの山を見ながら思いました。

 

「母は、お金に困っていたわけじゃなかったんだな」

 

 

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