(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の家計は、収入額だけで決まるものではありません。現役時代の生活水準や消費習慣がそのまま続くことで、年金収入との間にギャップが生まれることがあります。とくに都市部で生活水準の高い暮らしを続けてきた場合、「年金額は平均以上でも足りない」と感じるケースは珍しくありません。

「若い頃の暮らしって、身体に染み込むんですね」

由美さんは節約を勧めたことがあります。

 

「電車にしたら?」「ランチ回数を減らしたら?」

 

恵子さんは首を振りました。

 

「それをやめたら、楽しみがなくなる」「年を取ると、生活を変えるのは怖いのよ」

 

恵子さんにとって、外出や食事は単なる消費ではありませんでした。社会との接点であり、自分らしさの維持でもありました。

 

「節約すると、自分が小さくなる感じがするんです」

 

生活水準は経済条件だけでなく、自己認識とも結びつきます。長年続いた消費行動は、習慣化しやすく変更が難しいとされています。

 

高齢期の家計問題は「収入不足」と語られがちですが、実際には生活水準の固定化が影響することもあります。特に都市部の単身高齢女性では、現役期の生活スタイルが継続しやすい傾向が指摘されています。

 

恵子さんも、自身の暮らしを「特別」とは思っていませんでした。

 

「みんな普通にやってるでしょう?」

 

しかし貯蓄は、確実に減っていました。夫の遺産を含め約2,000万円あった金融資産は、10年で半分以下になっていました。

 

ある日、由美さんは母の家計簿を見せてもらいました。そこには、毎週のように同じレストラン名とタクシー利用の記録が並んでいました。

 

「変えられないんだな」と感じたといいます。

 

「分かってるんです。減らさないといけないって」「でも、今さら違う暮らし方が分からない」(恵子さん)

 

老後の生活設計では、収入額だけでなく生活水準の調整可能性も重要になります。現役期の支出構造が固定化している場合、年金生活への移行は心理的にも実務的にも難しくなることがあります。

 

恵子さんは静かに言いました。

 

「若い頃の暮らしって、身体に染み込むんですね」

 

年金22万円は平均以上の水準です。それでも足りないと感じる背景には、収入ではなく生活水準の慣性がありました。

 

老後の家計は、収入額とともに“どんな暮らしに慣れてきたか”で形が決まります。生活水準は簡単には下がらず、やがて家計を縛っていくのかもしれません。

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧