(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進むなか、一人暮らしの高齢者は増え続けています。内閣府『令和7年版 高齢社会白書』では、2025年時点で65歳以上の一人暮らしは男性18.3%、女性25.4%と推計され、今後も増加が見込まれています。 近くに家族がいても、関係がこじれると「つながり」は簡単に途切れてしまう――そんな現実が静かに広がっています。

「娘さんを責めないで、支えを分散しましょう」

生活不安を口にしたくなる背景には、家計の“赤字体質”があります。総務省の家計調査(2024年平均)では、65歳以上の単身無職世帯の可処分所得は月約12.1万円、消費支出は約14.9万円で、平均的に支出が上回る構造が示されています。

 

京子さんの年金は月13万円。家賃や医療費、突発的な出費が重なれば「気持ちの余裕」が削られていきます。

 

京子さんは翌日、地域包括支援センターに電話をしました。“介護が必要”という段階でなくても、高齢者の生活や人間関係の不安を相談できる窓口だと知ったからです。

 

職員に言われたのは、意外にも「娘さんを責めないで、支えを分散しましょう」という提案でした。

 

●見守り・安否確認(自治体や地域のサービス)

●生活支援(買い物同行、配食、家事支援など ※地域差あり)

●心身面の相談先(かかりつけ医や保健師につなぐ)

 

「娘だけに“命綱”を乗せないほうがいい。娘さんも、あなたも、潰れてしまうから――って」

 

京子さんは、娘に「会って謝りたい」と伝える前に、まず自分の生活の支点を増やすことにしました。週1回、近所のサロンに顔を出す。体調が悪い日は、センターに電話してよいことを確認する。“娘に繋がらない夜”を、ひとりで抱え込まないためです。

 

着信拒否は、親子関係の「終わり」に見えます。けれど実際には、拒否した側も追い詰められていることがあります。京子さんは今、娘にこう伝える文面を手帳に書き留めています。

 

「あなたを責めたいんじゃない。私も、頼り方を変える。だから一度だけ話したい」

 

家族の距離が開くことは、珍しいことではありません。大事なのは、“つながりが切れた瞬間”に、生活そのものまで崩さない備えを持てるかどうかです。

 

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