「助けたい」ほど、ぶつかってしまう
それから健一さんは、訪問の頻度を下げ、まずは週1回の電話だけ続けました。「困ってることある?」ではなく、「最近寒いけど眠れてる?」「ゴミ出し、曜日変わってない?」と、答えやすい質問に変えたといいます。
数週間後、父のほうから、ぽつりとこう言いました。
「……腰が痛くて、最近ゴミ出しがしんどい」
健一さんは、その言葉を“入口”だと思いました。
「じゃあ、ゴミ出しだけ手伝うよ。捨てるものは触らない。袋を玄関に置いといてくれれば、それだけ持っていく」
沈黙のあと、父は小さく「……わかった」と答えました。
独居高齢者が増える時代、家族ができる支援は、万能ではありません。ただ、“関係を切らない”“接点を残す”“支援につながる入口を探す”――それだけで、状況が動くことがあります。
健一さんは言います。
「片づいた家を取り戻すより、まず父が“自分のままで助けを受けられる”形を作りたい。時間はかかっても、そこからだと思っています」
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