(※写真はイメージです/PIXTA)

長年連れ添ってきた夫婦でも、老後を前に突然の“別れ”に直面することがあります。総務省『人口動態統計(令和5年)』によると、婚姻期間20年以上の離婚は全体の約2割を占めています。いわゆる“熟年離婚”は決して珍しいものではありません。定年退職や年金受給の開始といった節目で、夫婦間の経済認識や価値観の差が表面化するケースもあると指摘されています。

「夫婦の老後」は幻想だったのか

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(2023年)』によれば、60代の単身世帯の金融資産中央値は210万円です。一方で、同じ世代の夫婦二人世帯の中央値は700万円。夫婦で暮らしていくことを前提とした資金計画が破綻すると、老後の生活は一気に厳しさを増します。

 

知子さんは現在、離婚調停の準備を進めながら、週3日のパートに出ています。夫との話し合いは進んでおらず、「このまま逃げ切られるかもしれない」という不安も口にしました。

 

「定年後に離婚したい」という夫の申し出――これは決してレアケースではありません。法務省『司法統計年報』や厚労省の離婚統計によると、近年、60歳以上の離婚件数は緩やかに増加しています。背景には「子育てが終わったら終わり」「夫婦としての役割は終えた」という価値観もあり、男女ともに新しい人生を選びやすくなっている現実があります。

 

しかし、経済的に自立しにくい立場にある専業主婦にとって、定年離婚は致命的なリスクにもなりえます。

 

「もう少し早く、制度やお金のことを知っておけば……」と語る知子さん。

 

老後を迎える夫婦にとって必要なのは、相互の感謝と信頼だけではありません。「いざ」というときの備えとして、法律・制度・お金に関する正しい知識が、これまで以上に重要になっているのです。

 

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