真実が明るみになった後の「静かな修羅場」
Aさんは観念しました。
「間違いじゃない。役職定年で給料が下がったんだ……」
そこから、妻との話し合いが始まりました。それは、静かな「修羅場」の空気です。なぜもっと早く言わなかったのか、そう詰め寄る妻。少なくとも60歳までは少しずつ年収が上がっていくのだろうと予想していた妻の想定は、突如大きく崩れたのです。
Aさんには2人の子がいますが、下の子は大学1年生。教育費はあと3年かかり、住宅ローンも抱えています。さらに、年収が減れば65歳から受け取る年金額にも影響が出ます。
もともと家計について夫婦で話す機会が少なかったというAさん。妻の怒りの理由が「収入減」そのものではなく、「その事実を隠していたこと」にあると気づき、深く反省したといいます。
「妻は怒りながらも、パートを増やしたり節約をしたり、家計の立て直しを考えてくれています。ですが、私を見る目は冷たいです。私も副収入を得たいですが、何をやればいいのやら……。役職定年という現実を直視せず、その時が来るまで放置してしまった。プライドなんて捨てて、もっと早く妻に相談していればよかったし、減った収入をどうするのか考えておくべきでした」
役職定年を見据えた老後計画の必要性
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査によると、「役職定年制」の導入率は2019年時点で28.1%。およそ3割の企業で導入されています。この制度がある会社では、55歳前後から役職定年が始まるケースが多いようです。
役職定年になると、それまでの肩書が外れるとともに、役職手当などがなくなり収入が減少します。1~3割、場合によっては半分近くになるケースもあるといいます。
人材の流動性を高めることや若手社員に昇進の機会を与えること、人件費の抑制などが目的とされていますが、定年まで数年ある中で収入が大きく減ることは、経済的な面はもちろん、精神的な落ち込みも少なくありません。しかも、その数年後、60歳を迎えて継続雇用となれば、さらなる収入減が待っています。
50代は、会社員としてのピークを迎え、そしてそのピークが下り始める年代です。その収入でも納得しながら働く心構えをしたり、副収入を得たり、あるいはスキルアップや人脈づくりをして条件のよい他社に移ったりすることも可能でしょう。
50代特有の「キャリアの節目」をどう乗り越えるのか。早めに考えておくことが大切です。
注目のセミナー情報
驚異の「年利40% !?」“希少価値”と“円安”も追い風に…
勝てるBar投資「お酒の美術館」とは
飲食未経験者が「稼げるBarオーナー」になる納得の仕組み
【教育】2月7日(土)開催
〈保護者のお悩みをズバリ解決〉
偏差値40から医学部へ! わが子を合格に導くために
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
